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今や“失業対策”? スウェーデン徴兵復活が流布する「IT兵士」の是非

 以前、映画にあったが、これからの戦争というのは知恵を持つロボットが戦場に立ち、人間がそれを操作する。人間が銃と銃を突き合わせて戦う時代ではなくなってきている。現在の兵士というのはITを使いこなす能力がないと務まらないのだ。

 「軍事的圧力には軍事力増強で対抗」がグローバルスタンダード。スウェーデンが7年前に廃止した同国の徴兵制を、2018年1月から復活させるという。志願兵が減少するのは世界的な傾向だが、ロシアの武力外交に対抗するためには“やむを得ず”との判断だ。
 「スウェーデンはNATO非加盟ですから、ロシアに対抗するため米国との軍事協力を強化していました。こうした傾向は欧州共通のもので、スイスでも国民投票の結果、72%が徴兵制の継続に賛成しています。フランスでは実に80%が賛成票を投じている。例外はドイツで、現状の徴兵制継続に賛成したのは36%でした。日本では徴兵というと、すぐ“鉄砲担いで戦地に赴く”というふうに勘違いする傾向にあります。スウェーデンの徴兵制復活といっても工学やコンピューター、サイバー技術などに適応可能な若者を選抜するシステムですから、ある意味、若者の失業対策という側面が強いのです」(軍事アナリスト)

 現在の軍備というものは戦車やヘリコプターばかりか、物資の輸送管理や配送システムでさえデジタル化、ネットワーク化が進んでおり、無作為にある年齢に達したら“赤紙”を送り「兵士一丁出来上がり」というわけにはいかない。戦争法=徴兵制復活というリベラル派のロジックは、自衛隊にしてみれば「そんな人材必要なし」なのである。
 「欧州ではロシアのクリミア併合以来、軍事的な緊張度が増しています。ロシアに隣接するバルト三国はロシアの圧力に耐え切れず、NATOは4200名の兵士を派遣していますし、ポーランドも4000名が増強されました。フィンランドも国防力増強に踏み切る構えを見せています。バルカン半島もコソボ独立以来、沈静化していた民族紛争が再燃する気配が漂っている。こうした情勢からスウェーデンも徴兵制を復活させたわけで、EU(欧州連合)の瓦解とは逆方向に、欧州は対ロシアで結束する方向にあるのです」(英国在住日本人ライター)

 それにしても隣国が核武装し、ミサイルを排他的経済水域内に撃ってくるのに、いまだに先制攻撃の是非を議論している日本はどうなのだろう。「IT兵士」という言葉が流行語になる日が近づいているのかもしれない。

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