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麻生首相 クーデターに怯える

 内憂外患の麻生太郎首相(68)が見えない影におびえている。定額給付金を含む2008年度第2次補正予算案は13日、賛成多数で衆院通過したが、自民党からは直前に離党した渡辺喜美元行政改革担当相(56)のほか松浪健太議員(37)が途中退席。クーデターのにおいがぷんぷん漂う。首相は勢いづく野党をにらみつつ、“反乱軍”つぶしに血道をあげるしかなくなった。

 「首相は相当ショックを受けている。渡辺氏に続く造反者は出ないと公言して臨んだ衆院本会議で、さっそく党内から松浪氏が棄権したわけだから疑心暗鬼に駆られないほうがおかしい。衆院再議決までにどれぐらい造反者が増えるか全く読めなくなった。首相周辺は“反乱軍”探しに躍起になっているはずだ」(全国紙政治部記者)
 松浪氏は13日、棄権票を投じた責任を取って内閣府政務官を辞任。議場退席後、記者団に「しかるべき処分はお受けしたい」と話していたから覚悟の行動だった。渡辺氏との連携は否定している。
 しかし、当の渡辺氏がこの日、「自民党の中は『安政の大獄』のような状況にある。(同調者の)名前を挙げれば、そういう人たちが弾圧される」と語ったように、“総決起”までは水面下で動くことになる。
 安政の大獄とは、安政5(1858)年、大老・井伊直弼ら江戸幕府による反対派弾圧事件。処刑者が相次ぎ、安政7年の「桜田門外の変」で首謀者の井伊が殺害されるまで続いた。現況にあてはめれば、麻生の首をとる確証を得るまでは油断できないということか。

 前出の政治部記者は「解散総選挙で議席を守れるかどうか微妙な自民党議員が、反乱軍に対する世論を見極めたうえで党を飛び出す道を選ぶ可能性は十分ある。相当な規模に膨れ上がるかもしれない。いまは麻生政権の支持率がどこまで落ちるか、党が自分に何をしてくれるのか、情勢を見守っている状況だろう。要するに永田町で生き残れればいいわけだから」と解説する。
 報道各社の最新世論調査では、政権支持率は軒並み20%台を割り込んでいる。与党内でも、麻生首相で総選挙は戦えないとの見方が広がっており、選挙基盤の弱い若手議員がなだれを打って反乱軍に加わっても不思議はない。その上、この大事な場面でまたまた麻生首相の漢字読み間違えが“再発”した。

 「記者団に対し、支持率低迷の責任を認め、定額給付金への理解を求める発言のなかでヤッてしまった。『世の中は景気対策が最大の関心事。これを確実に実行するのが政府にとって“愁眉(しゅうび)の急”だ』と。これは完全に『焦眉(しょうび)の急』を言い間違えたもの。もはや日常茶飯事だが、いまさら勉強し直すわけにもいかない。求心力は限りなくゼロに近づいている」(前出の記者)
 焦点は、クーデターがいつ起こるか。永田町関係者は「民主党は“いけいけドンドン”モード。自民党のなかに手を突っ込んで反乱予備軍をそそのかしている。第2次補正予算案が野党多数の参院で否決され、衆院で再議決するタイミングで謀反が起こる」と読む。
 衆院与党334議席のうち、再議決には全478議席の3分の2にあたる319人以上の賛成が必要になる。16人の造反でアウト。麻生首相はこれをしのげるか?

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