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武道館は震度3 WWE閑古鳥

 世界最高峰とも称されるアメリカ発のエンターテインメントプロレスが“大ゴケ”した。今回2日間の日程で来日している米WWEが、7日に日本公演の初日を行い、満員にはほど遠い5700人の低調な観客動員に終わった。試合でも観戦していた高山善廣においしいところを持っていかれる始末。天下のWWEもいまやジリ貧と言わざるを得ない局面にきている。

 WWE絶頂のバブル期と比べると、まさにアンビリーバブルな客入り。
 会場の日本武道館は約半分程度しか埋まらず、空席も目立つ。今回2日連続開催とはいえ、同所で定期的にビッグマッチを行う日本のプロレスリング・ノア5月大会が9000人を動員したのと比べても、遠く及ばない。しかも、今回は開催に際してわざわざ会見に和田アキ子を出席させたり、ファンへのPRもきっちり行ってきたにもかかわらず、フタを開ければこの低迷ぶりなのだ。

 今大会は目玉のスーパースター、トリプルHが負傷欠場のため、直前に来日中止となってしまい、悪い条件が重なったのかもしれない。ただ、今回登場するスーパースターをみれば、トリプルHの穴を埋めるに十分のメンバーが名を連ねて来ているにもかかわらずだけにWWE人気に陰りが見えているのは明らかな情勢といえる。
 物足りなさが漂うのは会場だけではない。リング上も同じ。この日の大会では、WWEのストーリーラインではなく、セミファイナルの試合後にクリス・ジェリコがリングサイドで観戦していた全日本プロレス現3冠王者・高山善廣と視殺戦をしたシーンで、この日の一番の歓声が沸きあがってしまう、なんとも本末転倒な事態。
 こうした現状を打破するには、かつて天龍源一郎や曙らがWWE日本公演のリングに上がって盛況をみせたように、日本のトップ戦士と絡むのは必要不可欠。高山のほかにもこの日は山本“KID”徳郁など日本格闘技界のスーパースターも訪れていたが、今後も日本公演を継続するには、こうした日本のスーパースターをリング上に担ぎ出すことに活路を見出すしかないのかもしれない。

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