search
とじる
トップ > 社会 > 蝶野正洋の黒の履歴書 ★菅新政権に期待する改革

蝶野正洋の黒の履歴書 ★菅新政権に期待する改革

pic pic

提供:週刊実話

 9月16日の国会で菅義偉氏が内閣総理大臣に任命されたな。菅政権は、基本的には安倍さんと同じ路線でやっていくと思っているが、俺が注目しているのは政治家と官僚との主導権争いだよね。

 日本の政治では官僚が力を持っていて、利権をむさぼりすぎているというのが大きな問題だった。官僚のために省庁が大きくなって、その下にはいろんな関連団体がある。要は天下り先がいっぱいできて、よく分からない公共事業もどんどん増えている。それで国家予算が膨らんでいって、税金も重くなっていくという悪循環に陥っているのが現状なんだよ。

 つまり、官僚がやりたい放題やってる事態に政治家がストップかけなきゃいけない。安倍さんは、官僚の権限を奪う方向に進めていて、少しずつ追いやっていたと思う。でも、森友問題みたいな疑惑で引っかかって、足踏みしてしまった。ああいうスキャンダルは、安倍さんを懲らしめるための官僚側からの仕掛けかもしれない。

 そもそも政治家っていうのは国民が自ら選んだ代表で、基本的には国民の味方だ。

 一方の官僚は、各省庁の採用試験を突破した国家公務員。国民が選んだ代表ではなく、ただのエリートなんだよ。

 何かあるとマスコミは政治家が悪いっていう報道をする。だけど、問題は国会議員(=政治家)から選ばれる大臣ではなく、事務次官や局長あたりの「高級官僚」と呼ばれるポジションの人たちで、彼らが予算や認可の権限を持っているんだよ。そこを変えようと安倍政権は頑張っていたとは思うけど、マスコミは分かりやすい政治家を叩いてしまう。

 今度の菅政権は、安倍さんがやろうとしてた国民主導の体制を作り直すということをバーンとやってもらって、それで官僚に潰されたら仕方ないくらいの覚悟で突き進んでほしい。どうせ短命政権なんだから(笑)。

 なんにせよ、ここで体制を変えておかないと予算は増える一方だし、税金も毎年上がっていく。これでサラリーマンの給料が上がらないって状態がずっと続いたら、数年後には“サラリーマン一揆”が起きるぞ。

「アベノミクス」で景気はよくなったっていうけど、実感としての市民生活は向上していない。消費税増税にタバコや第3のビールの値上げとか、庶民のカネを巻き上げることばかりしている一方で、大企業の法人税は優遇している。まぁ、それはそれで景気回復のためには正しいやり方なのかもしれない。

 ただ、アメリカもずっとそんな傾向が続いていて、いまになってその歪みが表面化してきている。日本は海外から10年遅れるというから、これからは日本でも「富の集中」と、それによる「格差社会」がより問題になっていくんじゃないかな。

 アメリカではコロナの影響もあって、グローバル体制を縮小していって自国内の産業を盛り上げようという流れになっている。だから、日本もこれからは国内生産を増やして内需拡大の方向に向かっていかないといけないのかもしれない。

 菅政権がどこまでするつもりなのかはまだ未知数だけど、一番大事なカネの集め方と使い道だけはしっかりしてほしいよね。

***************************************
1963年シアトル生まれ。1984年に新日本プロレスに入団。トップレスラーとして活躍し、2010年に退団。現在はリング以外にもテレビ、イベントなど、多方面で活躍。『ガキの使い大晦日スペシャル』では欠かせない存在。

社会→

 

特集

関連ニュース

ピックアップ

新着ニュース→

もっと見る→

社会→

もっと見る→

注目タグ