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さんまが溺愛する昭和の哀愁芸人は元ホスト

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岩井ジョニ男の公式インスタグラムより https://www.instagram.com/iwaigawa_jonio_iwai/?hl=ja

 自身のインスタグラムを「ジョニスタグラム」と名付け、独特の芸人道を歩む者がいる。お笑いコンビ、イワイガワの岩井ジョニ男だ。横分け黒髪に黒縁眼鏡、青い背広にチョビひげという、昭和のサラリーマン風。いろんな街に出没する写真からは“せつな悲しさ”が漂い、フォロワーは8.7万人超え。今年4月、ノスタルジーに満ちたフォトエッセイ「幻の哀愁おじさん」を刊行すると、まさかの好セールスとなった。

 年齢は非公開だが、アラフィフという噂。妻子ありだ。“日本一インスタ映えするおじさん”として未開の地を切り開いたが、20代のころはかなりイケメン。東京・新宿の歌舞伎町でホストをしていたというから、驚きだ。お笑い通のメディアライターが言う。
 「ずっと芸人になりたかったんですが、手段が分からず、とんねるずやコロッケがショーパブで働いていたという記憶だけで新宿に出て、歩くホステスに声をかけて、男が働ける店を聞いて回ったそうです。紹介された店に行くと、クセの強い店長から『君だったら3カ月でベンツだよ』とそそのかされて、そのままホストに。多くのカリスマホストを生んだ老舗の『ホストクラブ ニュー愛』で、10カ月働きました」

 同店のトップホストから、「おまえ、いいな。一緒に店をやらないか?」とヘッドハンティングされて、独立に追従。弱冠20歳だったこともあり、次の店でもまたたく間に売れっ子となり、ホストとして脂が乗った。気付けば、専務の役職まで上り詰めていた。
 ジョニ男にとって水商売は、芸人になるための手段。芸能関係者からのスカウトを待ちつつ、「タモリの付き人になりたい」と吹聴していると、「タモリだったらうちの近所に住んでるよ」という客と出会って、自宅を教えてもらった。翌日から毎日、土下座して、「弟子にしてください」と懇願。「弟子は取ってないから」、「二度と来るな」と断られ続けたが、タモリの方が根負け。「とりあえず、見習いでやってみるか」と執念で認めさせた。四十九日(しじゅうくにち)後だった。

 「考えるより動くタイプ。『さんまのお笑い向上委員会』(フジテレビ系)で若手芸人が一発ギャグを披露してチャンスをつかむ恒例コーナー『モニター横』は、ジョニ男が先駆けです。番組のスペシャル版を見ていて大ファンだったので、レギュラー化されたとき、アポなしで(明石家)さんまが好きな駄菓子のイカ、お手軽インスタントカメラの『写ルンです』を持って、勝手にフジテレビに行ったのです」(前出・メディアライター)

 ジョニ男の所属は、さんまと旧知の仲である小堺一機や関根勤が所属する浅井企画。さんまとは、古い付き合いだ。そんな弟子同然のジョニ男が突然やってきて、テレビカメラが回っていないところで『写ルンです』で撮りながら、「パパラッチです。新番組おめでとうございます」と仕掛けたセンスに、さんまはホレた。次週から出演のチャンスを与え、「モニター横」という枠を作った。今では準レギュラーメンバーだ。

 “お笑いモンスター”さんまのお眼鏡にかなったジョニ男。黒縁眼鏡は、ダテじゃない。

(伊藤由華)

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