その最たる例が、“マスク爆買い”騒ぎだ。1月下旬に新型肺炎のまん延が確認されて以降、コンビニ、ドラッグストアでは、マスクの品切れ状態が続いており、その原因と思われるのが、外国人観光客による爆買いなのだ。ここしばらく、繁華街のドラッグストア周辺では、マスクの箱を山ほど抱えた外国人観光客の異様な姿が目撃されている。
そんな異常な状態は、他の健康関連商品にも波及している。ウイルス騒動の関係で、飲食店をはじめ人通りの多いところに、ごく普通に置かれている手指用の消毒液が、今は異常な高値で取引されているのだ。
「年末あたりまで、ドラッグストアでは1本800円前後で販売されていたある消毒液が、今や店頭からは姿を消しました。それがアマゾンなどのネット通販では、3000円以上の高値で取引されています」(消費ウオッチャー)
そのため転売目的のバイヤー、いわゆる“転売ヤー”たちがあちこちに出没して、買い占めに動いているという。
「倍の値段でいいから売ってくれ、というお客さんが増えているのは事実です。でも、ウチはそんな商売はしたくないし、それに肝心の商品が入って来ないんですからね」(ドラッグストア店長)
一方、転売ヤーはこう語る。
「今なら4倍の値段でも確実に売れるんやから、倍の値段で仕入れたとしても十分にもうかる。法律には触れていないし、長くできる商売やないんやから、今のうちにもうけとかんと」
阪神淡路大震災時にペットボトル飲料が1本500円、カップラーメンが1つ1000円になったのを彷彿させる話だ。
「今なら中国人相手に高く売れるものが他にもあるはず。今、それを探してるんや」(同)
ウイルスまん延の不安につけ込んだ悪徳商法には、ぜひとも天誅が下ってほしいものだ。