世紀の一戦の会場となるさいたまスーパーアリーナは2万2000人を収容できる。今年度一番のビッグマッチになることは間違いない。
2日後に迫った因縁の対決に向け、両陣営の思惑が交錯する。2階級制覇を狙う興毅は、得意の亀田節で内藤を挑発。タイトルマッチ決定会見では「徐々に、パンチドランカーになってきてるからな」「オレの中では日本タイトルとしか思っていない」などと、皮肉った。
さらにリーチで上回る王者に「長い。手長猿やな」や「正直言ってレベルが違う。通過点」と強気の姿勢は相変わらず。
前回ウンベルト・プール戦の前日計量では、亀田流パフォーマンスを解禁しており、きょう行われる調印式もしくは前日計量ではさらなる仕掛けが飛び出すことが予想される。
一方、これまで通り王者はすべて受けに回ってきた。その姿勢は今回も変わらない。
チャンピオン有利といわれても「気にしない。いつもと変わらず」と泰然自若の構え。最年長防衛記録を更新し続ける王者の風格を漂わせている。
宮田博行会長も「こちらからパフォーマンスを仕掛けたりすることはありません。興毅クンは興毅クンの、内藤は内藤のやり方で同じ山を登ろうとしています。もし内藤がそういうことをすれば、王者としての権威を下げることになりますから」と断言。それだけに直前まで、亀田パフォーマンスをどうしのぐか注目が集まる。
過熱するのは選手だけでなく、放送するTBSも同じ。アメリカンフットボール「スーパーボウル」で使用されたスカイカムなど、21台の中継カメラを使用。
試合当日は空撮用のヘリも出動するというから驚きだ。
同局の片山譲治プロデューサーは「変に脚色しないように生の情報を伝えていけたら。真実をみてほしい」と力説する。
それだけではない。TBS関係者は声を潜めて言う。「実は『さんまのスーパーからくりTV』とのコラボレーションを予定しています。番組内の企画で、平岡アンディ君というボクシング少年がいるんですが、彼が内藤選手の大ファンなんですよ。当日は、アンディ君が来場してほぼリアルタイムで現場の映像と番組をつなぐんです」
異なるジャンルの視聴者層を世紀の一戦に引きつけようとしているワケだ。
内藤VS亀田はボクシング史に残る一戦となるか、はたまた凡戦に終わってしまうのか。いずれにせよ、見逃せない試合になることは間違いない。