孫社長は米経済誌「Forbes(フォーブス)」が3月に発表した世界の億万長者番付で113位にランクイン。総資産額は81億ドル(約6500億円)と報じられている。出せない金額ではないというのが大方の見方だったのだが…。ある経済記者は「100億もの大金をいくら孫社長だってすぐに作れるわけではありませんよ。保有株を市場で換金しなくてはなりませんからね。しかも、一挙に売りに出してしまっては株価の暴落を招くのは火を見るより明らかです。そんなバカなことは、もとからやるはずはないので、数億円か数十億円に分割して寄付するモノと最初から思ってました。100億円という見出しが一人歩きしたという感じですね。孫社長もそこのところを良く説明すべきだったのかも」と語る。もっとも、この発言で自社の株価が上がることを想定したのだろうが、発表直後には好感した株価もその後ジリジリと値を下げている。
一方で、孫社長を擁護する声も。「日本赤十字社や共同募金などに集まっている義援金がすぐに被災者に届いているとは言えない現状です。いま大金を拠出しても行き先が決まらずプールされているのでは直接的な援助にはならないという、ソフトバンクグループ、ひいては孫社長の苛立ちから入金を控えているという考えもありそうですね」とはスポーツ紙記者。また、「100億円あるなら寄付より被災地の通信インフラ復興資金に回せばいいのに」という声も聞かれた。
ソフトバンク広報室は「もともと一挙に100億円ということではなく、何回かに分けて徐徐に寄付する方針でして、時期、回数、金額についていままさに検討している段階」と答えているが、自身のtwitterでは歯切れよく答えて「やりましょう!」が口癖だった孫社長なのに、これでは不満の声が出てくるのも仕方のないだろう。