中川氏が失態を演じた先進7カ国財務相・中央銀行総裁会議(G7)での記者会見の詳細は、動画投稿サイト「ユー・チューブ」などで驚異的なヒット数を記録。世界の笑い者になっている。ずいぶんと記者会見をナメたものだ…と思っていたら、日ロ財務相会談でももうろうとした状態で受け答えをしていた。
ローマの消息筋の話で分かったもの。わずか15分間の会談にもかかわらず、中川氏はのっけから疲れた様子がありありだったという。クドリン財務相との応答ではしばらく目をつぶって考え込むなど“居眠り”疑惑が浮上。長い間反応がないなどのおかしな様子が続いた。同席したロシアの外交官は「頭のスイッチが切れたようだった」「ひどい時差ボケに苦しんでいるのだろう」などと語ったという。
中川氏はクドリン財務相との会談直前、昼食でワインを注文。「ゴックンしていない」と言い訳している。しかし、その後の日ロ会談でも、それに続いた記者会見でもへべれけ状態だったことが明らかになり、真相は疑わしくなってきた。
現時点ではロシア側は静観の構え。中川氏の発言内容について、ロシア側は通訳を通じてしか分からず、明確な間違いがあったかどうかは不明なようだ。外交官によると、中川氏が健康を害しているようにも見えたといい、“飲酒会談”を表ざたにするつもりはないのだろう。しかし、これは外交の世界では当たり前。水面下では重大な外交問題に発展しかねない。それでなくともロシアとのあいだには北方領土問題など積年の課題が横たわっているだけに、“飲酒会談”の負い目から国益を害する危険性もある。
そんな中川氏には党内外からバッシングがすさまじい。後任の与謝野馨財務相兼金融担当相は20日の衆院財務金融委員会で、中川氏の記者会見での醜態について「日本の代表としてあるべき姿ではないと確信した。職を辞するのは当然だ」とばっさり。
慶応大教授の竹中平蔵元総務相は中国・上海での講演で「パッション(情熱)がないから国際会議で寝てしまう」と猛批判。議員辞職リーチとともに、政界引退を余儀なくされる可能性が出てきた。