学生時代から友人の相方、おぎやはぎ・矢作兼とともに、東京生まれ、東京育ち。声を張ることなく、前へ前へ精神があるわけでもない。つねに冷静。スタイリッシュな感さえ漂う芸風は、関東芸人が憧れる独自路線だ。
人への興味が薄く、感情表現も豊かではない。10日に放映された『ロンドンハーツ』(テレビ朝日系列)の名物企画「格付けしあう売れっ子」では、それが顕著に現れた。
「付き合ったら大変そうな男」ランキングで、一般女性から4位に選ばれた小木。悪い理由として、「釣った魚にエサをやらなさそう」が挙げられると、小木は「そりゃ、冷めますよ」とあっさり認めた。そして、感情に起伏がない理由を、「女性を相手に熱くなる男って、カッコ悪い。男の最高位にいたいんですね」と解析した。
振り返れば、小木が感情を喪失したのは、小学生のとき。子どもたち同士で「こちょこちょ」と体をこそばし合っていたとき、笑えば笑うほど、相手が調子に乗ることに気づいた。そして、悟った。「笑わなければいいんだ」と。
世のなかで起こりうるすべてを、おもしろいかおもろくないかではなく、ダサいかイケてるかで判断する、クールな眼鏡。それでも、コンビ芸人の稼ぎ頭のため、所属事務所のプロダクション人力舎のおメガネには、かなっているようだ。(伊藤由華)