押尾学事件がいよいよ「本格捜査」を開始。一部スポーツ紙などで、「押尾事件は捜査継続。新たな立件を目指す」との報道があったが、依然、捜査は遅々として進んでいないようだ。
「事件発覚当初からあった某有力政治家の圧力は消えていないから、捜査が進むはずがない。当局は意図的に『捜査継続』の情報を流すことで、民事訴訟を考え始めたTKさんの遺族の動きを鈍らせるつもりかもしれない」(警視庁担当記者)
実は、ここへきて当局が本格捜査を開始したのは、TKさん死亡絡みの件ではなく、「押尾ルート」での麻薬常習者芋づる逮捕へ向けてのもの、という見方が有力だ。
逮捕前まではヤクザ気取りでイキがっていた押尾だが、取り調べにはあっさり“完落ち”。警察関係者によると拘置期間中、押尾は捜査員の聴取に素直に応じ、自身のことから芸能界のことまでペラペラしゃべっていたようだ。
「捜査協力どころではないですよ。冗談まで飛び出すほどで、捜査員からのウケは完璧。今回の芸能人ルート摘発は押尾の“超極秘情報”が発端であったようです」(警察関係者)
芸能界との決別を覚悟したのか、禁じ手の“仲間売り”を始めた押尾。かくして供述を基に容疑者探しが始まったわけだが、無視できないのは押尾と同じ部屋で死亡したTKさんの周辺だ。「押尾よりも、TKさんの周りこそネタの宝庫」という警察関係者もいるほど、きな臭さが漂っているのだ。
彼女が勤務していた銀座のクラブが芸能人の溜まり場であったことはつとに有名だ。芸能事務所関係者が語る。
「9月の始めから、麻布署の捜査員がTさんの周辺に聞き込みを開始したようです。Tさんの元同僚であるホステスを中心に聞き込みをしていて、その内容がきわどい。Tさんの死についてというよりも、Tさんを含めた従業員と芸能人の交友関係についての質問がメーンらしいのです」
ちなみにこの銀座の店は押尾事件の現場となった「六本木ヒルズ」の部屋主であるN女史が「スカウト&(タレントの)接待」で利用していたことでも知られている。
「N女史はホステスを積極的にスカウトしていました。一体、何にスカウトするのかといえば“(自身の)スポンサー筋のコンパニオン役”です。N女史は実業家としても成功を収めていますが、それもこういった宴会をマメに行っていたから、スポンサーの覚えがめでたくなるのです」(前出・事務所関係者)
そればかりかN女史は押尾をはじめK、Yといったタレントとも派手に交際しており、彼らの機嫌を取るべく同店を利用、接待を繰り返していたという。
保身のためなら魂でも売る押尾は当然、この業界裏話を捜査員に吐露。捜査員は押尾がもらした情報に基づき、前述のように店のホステスを中心とした聞き込みを開始している。さらに、その際、注目すべき捜査方法を駆使しているという。
「捜査員はホステスに、アイドルグループ出身のAと、ビジュアル系タレントで歌手のBの顔写真を見せ、『この男たち店に来ているよね。何か怪しいことしてない?』と言うような話をしていたようです。つまり“AとBはクスリを常用しているが、聞いたことはないですか”と言うこと。仮に、ホステスが知っていたとしても、これは言えないでしょうけどね」(前出・事務所関係者)
まさしく仰天の「押尾ルート」。マスコミが完全ノーマークだった超大物Aまで、麻薬漬けだというのか。今後の捜査の行方が注目される。