真輔よ、いまはひたすら前の敵に集中せよ!
革命戦士があの一件について口を開いた。「過去の経験から言えば猪木さんがらみなら触るなって言いたいね。あまり良い方向にもいきそうにないみたいだし…」。良い方向に行ってないこととは、紛れもなく現王者の中邑が猪木とのケンカををブチ上げたことだ。
単に先輩レスラーからのアドバイスではない。長きに渡って新日本のリング内外で猪木と闘ってきた長州だからこそわかる言葉だ。「真輔はやっとベルト巻いたんだから、いまは中邑真輔っていう位置づけをする方に力を入れていったほうが良い」。
長州があえて「猪木には触るな」と苦言を呈すのは、中邑のことをおもんばかってのこと。「これでまた短命だったら、なんなんだって言われちゃう。いまは少しでも長く防衛していくこと。それで初めてスタンスが大きくなる」。
自身が過去3度もIWGPヘビー級王者になりながら、すべて短命政権しか築けなかっただけに、過去2回、短命政権に終わっている中邑のことは痛いほどよくわかる。それだけにいまは猪木を倒すことや初代IWGPベルトを奪還することより、長期政権を樹立することに全精力を注ぐべきだと説く。
「真輔は長く防衛記録を作る目標を立てた方が良い。過去にないぐらいの記録をね」。12・5愛知大会で対戦する永田裕志を倒し、まずは永田の持つIWGPヘビー級王座最多防衛記録のV10超えを狙えというのだ。
その一方で次期挑戦者の永田にも激励エール。長州は「永田には良いチャンス。最近は永田、中西が見えなくなってきている。彼らもがんばらないといけない」と奮起を促し「ここで良い試合をしていかなきゃ。彼らのスタンスを見せつけるためにもね」と、永田の王座戴冠を機に第三世代での“新日革命”に期待をよせた。
なお、この日は東京・水道橋の闘魂ショップでサイン会。当初予定していた100人以上のファンが殺到したが、長州は「どうも!」「ありがと!」などとひとりひとり丁寧に握手を交わし、ファンサービスに応じていた。