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斎藤氏は挨拶で、「まさかこういう機会が来るとは思っていませんでした。ハンカチ王子という名前に違和感があった時期もありましたが、ハンカチ王子という名前があったからこそ、いろんな人が僕のことを覚えてくれる。ハンカチはそのアイテムなのかなと。お話をいただいた時、もう一度、僕自身がハンカチと向き合う機会なのかなと思いました」と心境を語った。
製造・販売を手がけるのは、2023年に創業100周年を迎えた老舗の川辺株式会社。岡野将之代表取締役社長は「これから試合が始まるという気持ち。ドキドキと不安が入り混じっていますが、楽しみしかないです。斎藤さんとパートナーシップを結べたことを本当にうれしく思います」と新たな試みに期待した。
「現役時代の活躍や悔しかったこと、それらを含めて、ハンカチが僕の気持ちに繋がっていたんだなと。マウンドにいた時の『ここが勝負だ』とか、『気楽に行こう』、『仲間を信じよう』という気持ちを形にしました」と斎藤氏が語るハンカチは、純白に漢字が施されたシンプルなデザイン。「文字が見えるか見えないかという薄さ。混じり気のない白を表現しました。見て『この文字だ』ではなく、思いを感じてほしい」と意図を説明した。
「祝」、「勝」、「信」、「穏」、「礼」など9種類の漢字は、斎藤氏によると「経験の中で培った、こんな言葉があったらいいなという言葉」で、「自分が使うこともそうですし、誰かからプレゼントをもらう時に、こういうことがあったなと思って考えさせてもらいました」と思いを込めた。岡野社長も「ハンカチの8割はギフトなので、今回の企画は好適。好きなのは『礼』です。まずは斎藤さんに感謝したい」と述べた。
質疑応答で、第105回全国高等学校野球選手権大会で優勝した慶応義塾高校ナインに贈りたい漢字を聞かれた斎藤氏は「僕が好きな言葉は『信』ですかね。現役時代、栗山(英樹)監督から、『頑張れ』よりも『信じてるから』という言葉をいただいたことが多くて、それがすごく胸に刺さっているので、僕はこの言葉がすごく好きです」と恩師との交流を思い返していた。
(取材・文:石河コウヘイ)