1989年3月18日の土曜日、フジテレビは21時から『ダーティハリー3』のテレビ放送を行った。当時の土曜夜と言えば、フジテレビは20時からの『オレたちひょうきん族』も放送されており、まさにゴールデンタイム。当時の若者達はかじりついてテレビを見ていたはずだ。
放送事故は『オレたちひょうきん族』放送中に発生した。ビートたけしの顔のアップと共に『ひょうきん族』のエンドクレジットが流れたその瞬間、何の前触れもなく画面が真っ暗になってしまったのだ。数分後には復旧しCMが流れたが、その後も断続的に消えたり、映ったりを繰り返すなどの異常が続いた。
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26分後、画像の乱れは収まり、『ダーティハリー3』は放送できたが、事故の影響で映画の冒頭10分以上が放送できず、結果多くの視聴者は『ダーティハリー3』を途中から見る羽目になったのだ。
フジテレビには当然、苦情電話が鳴り響き、100件以上の問い合わせがあったという。同局によると、事故の原因はテレビ番組とCMを自動で切り替える装置が故障した事によるトラブルであったと伝わる。
なお、地域によっては真っ黒な画面は流れず、「しばらくお待ちください」という表示や地元のニュースや環境ビデオ、関西テレビでは梅田のビルの屋上からの夜景を映してトラブルを回避したという。
放送局によって、トラブル回避の方法も変わってくるという好例であると言える。