同誌によると、野茂氏は2003年9月、佐野氏に対し年0.3%の利息で3000万円を貸し付け。10年後の2013年までに返済する約束だったが、期限までに返した金額は、たったの434万5000円だったという。
野茂氏は返済するよう求めていたが、佐野氏は全く応じなかったようで、連絡も途絶えていた模様。しびれを切らした野茂氏が提訴し、9月20日に東京地裁が訴えを認め、佐野氏に対し2565万5000円とそれに付随する利子を支払うよう命じた。
現役時代、親友関係にあると言われた2人に何があったのか。SmartFLASH(光文社)が佐野氏に取材したところよると、金を借りた理由について「2003年にお金が必要となり、野茂が助けてくれた」という。そして、同氏は「厚意を裏切ってしまった。詳細はプライベートなどで控えさせてほしい」「投資に失敗したとかそういうことではない」と話しているという。
また、『週刊文春』の取材には「ここ何年かは返済できなくなっていた」などと説明している。なお、借金問題が浮上した後、佐野氏側から野茂氏に連絡を取るようなことはなかったとのこと。これについて佐野氏は「連絡が取れなくなった」と釈明した。そして、2人は2005年以降会っていないだのだという。
現役時代、野茂氏と佐野氏が所属した1990年代前半の近鉄バファローズは、吉井理人現・日本ハム投手コーチ、光山英和現・横浜ベイスターズ・バッテリーコーチ、鈴木貴久氏(故人・2004年逝去)、石井浩郎氏(現・参議院議員)など、個性的なメンバーが揃っていた。そして、打倒西武と「シブチン」の近鉄球団への反発心で団結していたと言われる。
中でも、野茂氏と佐野氏は親友として知られ、蜜月の関係として認知されていた。そんな2人の降って湧いた「金銭トラブル」に驚く人は多かったようだ。
「野茂氏は色々と言われていますが、現役時代から表裏のない性格。当時の個性派揃いの近鉄でも愛されていましたし、良くしてくれているチームメイトに恩義を感じていたと聞いています。
仲間を大事にすることでも知られる野茂氏ですから、佐野氏のピンチに一肌脱いだのでしょう。ところが、佐野氏はそんな野茂氏の心を裏切った。
現役時代莫大な金額を稼いだ野茂氏にしてみれば、佐野氏に貸した3000万円は大した金額ではない。
むしろ、お金を貸したあと佐野氏が距離を取り、連絡をよこさなくなったことや、解説活動やイベントでピッカリ投法を見せて沸かせていることに「裏切り」を感じたのでしょう。佐野氏の不誠実な対応が、野茂氏を怒らせてしまったのだと思います。恩を仇で返すとはまさにこのことでしょう」(野球関係者)
不誠実な対応で手を差し伸べた親友を裏切る形となった佐野慈紀氏。現役時代「火消し役」だった彼だが、今回はまさしく炎上してしまった。
この火を佐野氏はどう消していくのだろうか。