5月10日の朝、南海トラフの西端にあたる宮崎県沖の日向灘で、M5.6とM6.3の比較的規模の大きい地震が発生し、その後も地震が続いた。
「10日はM3.5以上の地震が7回発生。翌11日午前9時前にはM5.0、12日にはM4.3と、3日連続で比較的規模の大きな地震が相次ぎました」(サイエンスライター)
気象庁は10日の地震について、「震源の深さが25キロのフィリピン海プレートと陸側のプレートの境界で発生した」と分析。「南海トラフ想定震源域で、巨大地震につながる異常が観測されたわけではない」として、注意を喚起する必要はないと判断した。
「気象庁は南海トラフ想定震源域で、M6.8を上回る地震や異常が観測された場合、臨時情報を発表するとしています。今回は地震の規模から見て、プレートに特段の変化が起きたとは言えないとして、関連も調査しない方針です」(担当記者)
日向灘沖では、南海トラフ地震とは別に、M7.6前後の地震が約200年間隔で発生し、M7.0程度の地震は約20〜27年間隔で発生している。直近では1984年に発生しており、それから35年が経過。日向灘沖で、今回より大規模な地震がいつ発生してもおかしくない状況だが、冒頭の島村氏のように南海トラフ地震のほうを心配する専門家も少なくない。
そんな中、14日にはパプアニューギニア付近を震源とするM7.7の巨大地震が起こった。
「パプアニューギニアは遠隔地だけに日本への影響はよく分かりません。ただ、現在は環太平洋造山帯が活発に活動していることは確かです」(島村氏)
備えだけは万全に。