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時代を牽引した雑誌も ミリオン出版が消滅、ネットで嘆きの声

 サブカルチャー系の書籍を多く手がけてきたミリオン出版が、12月1日付で親会社の大洋図書に吸収合併されることがわかった。『実話ナックルズ』など現在刊行中の雑誌は引き続き発行される。

 だが、会社名が消滅することには変わりなく、ネット上では「平成の終わりを感じるエピソードだな」「ミリオン出版の雑誌けっこう読んでいたな。懐かしい」といった声が聞こえてくる。

 ミリオン出版は1976年に設立された。当初は『S&Mスナイパー』などを刊行するマニアック路線のアダルト系出版社だった。この出版社が黄金期を迎えたのは90年代だろう。1992年創刊の『クリーム』は制服やスクール水着といったアイテムに注目し、裸ではない「エロさ」を追求した新しいアダルト雑誌として話題となった。このジャンルは誌名から「お菓子系」と呼ばれ、複数の類似雑誌が誕生した。

 アダルト系以外にもミリオン出版からは名物雑誌が誕生している。よく知られているところでは、1994年に創刊された『GON!』がある。小さい文字数で、さまざまなB級ニュースが掲載されていた。「まずいジュースを探せ」「ガマの油でトリップできるか」「生きたまま棺桶に入り霊柩車に乗ってみた」といった名物企画が多く誕生した。編集部員がキャラクター化し、2代目編集長の島田うどんといった局地的なカルトスターを生み出した。読者投稿も積極的に受け付けており、インターネットのSNS文化を先取りした雑誌であったといえるだろう。

 もうひとつの有名雑誌が1995年創刊の『egg』であろう。元祖ギャル雑誌というべきもので、街の女子高生たちにアンケートを取り、現在進行系の流行を取り上げた。キーワードとしてはルーズソックス、コギャル、ガングロが進化したゴングロ、ヤマンバスタイル、へそ出しルックといったものだ。この雑誌からは押切もえなどの有名読者モデルも生み出した。

 時代の空気を絶妙にすくいあげてきたのが、ミリオン出版の刊行物であったといえるだろう。

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