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令和の大相撲、改革の必要あり? “土俵の大きさ”問題

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 大相撲の決まり手の一つに、「吊り出し」という技がある。一方の力士がもう一方の力士を持ち上げ、そのまま土俵外へ出す。力士の強さを物語る“スゴ技”の1つだ。

 ただ、最近はこの吊り出しを、土俵上で見る機会がめっきり減ってしまった印象が強い。実際、先に行われた春場所の幕内の取組でも、この技は1回も記録されなかった。

 吊り出しが“絶滅危惧種”となっている理由について、パッと思いつくのは力士の大型化。今の力士はそのほとんどが150kg以上の体重で、逸ノ城や魁聖に関しては200kgオーバー。そんな巨漢を仕留める手段として、吊り出しはあまりにも時代に即していない。

 また、吊り出しを“時代遅れの技”に追いやった大型化は、「引き技の乱発」や「小兵力士の減少」といった状況ももたらしている。その結果、「巨漢力士が体重任せに押して叩くだけ」という、淡泊な相撲が連続で続くことも少なくない。

 巨漢同士のぶつかり合いに、相応の魅力があることは否定しない。ただ、“大よく大を制す”相撲ばかりでは、さすがに単調すぎると言わざるを得ないこともまた確かだろう。

 こうした現状を変える手段として、筆者には一つ思いつくものがある。それは、現在直径4.55m(15尺)の広さが取られている土俵の拡大だ。

 土俵の大きさが広がると、その分攻めや守りに持久力が要求される。それを養うためには、当然稽古を積んで体重を落とさなければならない。そうなれば力士の動きは身軽になり、安易な叩きに走る、もしくはそれを食らう場面も減少するのではないだろうか。

 また、現在不遇の時代を過ごしている小兵力士にとっても、土俵の拡大は光明となり得る。スペースが空いた分、巨漢相手の立ち回りに余裕が生まれるからだ。いなしや足技といった手段も、今以上に取りやすくなるかもしれない。

 先場所で平成時代が終わり、次場所からは令和時代に突入する大相撲。元号が変わるのを機に、土俵の大きさも変わるというのはどうだろうか。

文 / 柴田雅人

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