プロレスラー世界遺産 伝説のチャンピオンから未知なる強豪まで── 「川田利明」独自の価値観を示したデンジャラスK

スポーツ 週刊実話 2018年05月28日 18時03分

 全日本プロレス四天王の一角として、極限の闘いを繰り広げてきた川田利明。新日本プロレスからハッスルまで、対外試合においても“名勝負製造機”と称されるほど、いくつものドラマを見せてくれた。

 1990年代の全日本を支えた川田は、当時、トップの証しである三冠ヘビー級王座を3度(三沢光晴らノア勢分裂後を含めると計5度)獲得している。しかし、故障などから長期政権を築くには至らず、小橋建太戦での引き分け防衛があったのみ。
 白星での防衛成功となると、最初の戴冠からおよそ9年後、武藤敬司社長体制下の2003年に、5度目の三冠王者として迎えたドン・フライとの一戦まで待たねばならない。なお、その後は天龍源一郎や橋本真也らを相手に計10度の防衛を重ね、これは現時点における三冠王座の歴代最多防衛記録となっている。
 「川田による一連の三冠防衛ロードは、四天王時代と比べてファンからの注目度は下がっていたものの、見応えのある試合が多かった。中でも、最初のフライ戦は格闘色が濃かったために、当時の全日ファンから批判的な声も上がりましたが、川田の持ち味がいかんなく発揮された好勝負だったと思います」(プロレス記者)
 その前年にPRIDEで行われた高山善廣とフライの死闘がベースにあったのか、顔面パンチの応酬とサブミッションの攻防が繰り広げられる中、最後は川田が渾身のストレッチ・プラムで、レフェリーストップ勝ちを収めている。

 川田による格闘系の試合ということでは、'97年に全日のリングで行われた最初の高山戦も、半分ガチンコの“不穏試合”と一部では噂されている。
 UWFインターナショナル、キングダムを経てフリーとなり、全日に参戦した高山に対して、川田の方から「最初の10分はキングダムスタイルで来い」と伝えたといわれ、その結果、掌打やヒザ蹴り、サブミッションで川田が一方的にやられる展開となった。
 「最後は言わゆる本来のプロレスに戻って、格上の川田が勝利を収めましたが、格闘スタイルだとやはり普段から稽古している高山に一日の長があった。手足の長さからして全然違うのだから、打撃では勝負にならないのは当然のことです。ただ試合開始早々、あごにカウンターの掌打をくらって実質KOされていながら、それでも心を折らずにアマレス流のタックルで反撃を試みた川田のファイティングスピリットも相当なものだ、と言えるのではないでしょうか」(同)

 そんな川田が、'04年に旗揚げされたファイティングオペラ『ハッスル』への参戦を決めたことに、驚かされたファンもきっと多いことだろう。
 無骨にして寡黙、四天王時代にはマイクアピールすらめったにすることのなかった川田が、マイクどころか幕間の寸劇にまで登場し、インリン様と闘い、江頭2:50を相手に「もの申す!」と本家さながらのパフォーマンスを繰り広げた。
 もちろん「そんな川田は見たくない」「川田は金で魂を売った」と、批判的な声も聞かれたが、当時、経営難にあった全日ではファイトマネーの遅延もあり、ハッスル参戦において金銭面の動機も確かに大きかっただろう。

 しかし、一方で「川田は全日時代からリングを下りると、饒舌で陽気だった」との評もあり、お笑い好きでダチョウ倶楽部ら芸人との交流もあったという。
 つまり、全日における求道者的ふるまいも、ハッスルでのエンターテインメントも、川田にとっては“自己演出”という点で、同質のものだったわけである。
 それが証拠に、前述のインリン戦は'05年7月15日に行われたが、その3日後にはノアの東京ドーム大会のメインイベントで、5年ぶりとなる三沢戦に臨んでいる。のちに川田自身がインタビューで「インリン戦が終わるまで三沢戦に集中できなかった」と語っており、つまり川田の中ではインリン戦も三沢戦も、等しく“大一番”であったのだ。

 川田の性格的な部分を指して「変人」「自分勝手」とする声は、近い関係者からも聞かれるところである。三沢が全日を離脱する際、川田を誘わなかった原因の一つに「全日副社長だった川田が、会社運営や若手の指導に関わろうとしなかったことがある」という話も、妙に説得力がある。
 しかし、社会人としては不適格者なのかもしれないが、他を顧みずに一意専心した結果が、“名勝負製造機”とまで称されたプロレスを作り出したのだろう。

 「三沢さんがリング禍で亡くなったことで、プロレスへの情熱を失った」という川田は、居酒屋経営に専心しているが、今では別人のように筋肉が落ちてしまった。だが、これは全盛時のパンプアップされた体が、人並み外れた鍛錬によって作られていた証拠だとも言えよう。
 川田のキャラクターや肉体は、絶え間ない努力と試行錯誤の末に生み出されたものであり、その意味においては、四天王プロレスもハッスルも大きく異なりはしないのだ。

川田利明(かわだ・としあき)1963年12月8日生まれ。栃木県出身。身長183㎝、体重105㎏。得意技/パワーボム、ジャンピング・ハイキック、ストレッチ・プラム

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