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ノーベル賞の裏側――毎年の賞金は一体どこから出ているのか?

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提供:週刊実話

 10月9日、スウェーデン王立科学アカデミーは、2019年のノーベル化学賞に旭化成の吉野彰・名誉フェローと米国の大学教授2人の計3氏に授与すると発表し、その偉業に日本中が喜びの声に包まれた。賞金は900万スウェーデンクローナで、これを円に換算すると約9900万円だ。これを受賞した3氏が分け合う。

 ノーベル賞はダイナマイトの発明で巨万の富を築いたアルフレッド・ノーベル氏の遺言と資産に基づいて、氏の死後の1901年にスタートし、ノーベル財団がノーベル氏の資産を管理・運用している。そして賞金や授賞式の運営費は、財団の運用益でまかなわれてきた。ただし経済学賞だけは、スウェーデン国立銀行が賞金を捻出している。

 ここで疑問が沸く。カネは天下の回り物とはいえ、ノーベル氏の資産が尽きないのかという点についてだ。

 「財団は、独立性を保つため、国など公的機関からの寄付は受け付けず、民間からの寄付も厳格に限定しています。ノーベル賞の賞金が毎年多部門にわたって続くのは、財団が資産の運用に励んでいるからです。ですから01年以降は1000万クローナ(約1億1000万円)だったのが、12〜16年には、運用がうまくいかなかったことなどによる財務悪化を理由に800万クローナ(約8800万円)に減額されています。17年からは財務が改善したとして今年の900万クローナに引き上げられました」(国際ジャーナリスト)

 ノーベル氏は「安全な投資先で運用するように」と遺言している。財団はこれを守り、資産の大部分を低リスク・低リターンの債券で運用をしてきた。

 「ところが二度の世界大戦や経済恐慌などを経て、資産が底をつく懸念が出てきたことから高リスク・高リターンの株式でも運用できるように制度を変更しました。財団が保有する資産は18年末時点で約468億円で、運用ポートフォリオを見ると、株式投資44%、債券投資15%、ヘッジファンドなどオルタナティブ投資が33%などとなっています。株などのリスク資産への投資の割合が比較的高く、攻めの運用をしていることが分かります」(ファイナンシャルプランナー)

 ノーベル賞の裏側は超現実的だ。

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