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積水ハウス 地面師詐欺被害で高まる会長批判の声

 大手住宅メーカーの積水ハウスが地面師グループに騙された巨額詐欺事件は、いまだ犯人が逮捕されず尾を引くが、土地取引で残された“保留金”の存在を巡り、社内が揺れに揺れている。
 「積水は昨年6月、東京・五反田の老舗旅館『海喜館』の土地約2000平方メートルの分譲マンション用地の買収で地面師グループの詐欺に遭い、8月に入って63億円を騙し取られたと警視庁に情報を提供。9月に55億5900万円が回収できなかったとして、被害届を提出したのです」(社会部記者)

 この土地の実際の所有者は70代の女性だったが、地面師グループは“成りすまし犯”の女性A子を使い、偽造したパスポートなどを使って積水ハウスを騙したとされる。
 「昨年4月に売買契約を結び、積水は手付金としてまずA子に14億円を払った。6月には残金の49億円を払ったことになっていたが、実際に払った総額は55億5900万円だったのです。差額の7億4100万円はどうしたのか。実はA子に49億円が支払われた日、積水の中野区の新築分譲マンションの11戸を、A子が7億5720万円で購入する契約を結んでいた。この額が差額に近いのです」(経済ジャーナリスト)

 つまり積水は、五反田の土地を買う形でA子に63億円を支払い、そのうちの7億円余りで分譲マンションを買わせた。ところが、A子が地面師グループの一味だったことが判明し、約7億円を保留金にしたとの疑惑が浮上しているのだ。
 「『海喜館』の買収に先に手を上げていた不動産業者が再三にわたり警告をしていたが、当時、社長の阿部俊則会長は無視して騙された。積水では、今年1月に開かれた取締役会で会長だった和田勇氏が阿部氏に責任を迫ったところ、返り討ちに遭い会長を辞任。阿部氏が会長に昇格した。しかし、調査委員会は“当時の会長と社長に責任がある”と指摘する報告書を提出し、保留金の存在も明らかになった。土地取引が阿部氏の案件だっただけに、社内の責任追及はおさまらないでしょう」(不動産業者)

 積水はあくまで被害者だが、激震は続きそうだ。

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