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2014年プロ野球キャンプ情報 ニューフェイスは戦力になるか?(福岡ソフトバンク編)

 中田賢一(31=前中日)、ウルフ(33=前日本ハム)、スタンリッジ(35=前阪神/復帰)、サファテ(32=前西武)、鶴岡慎也(32=前日本ハム)、李大浩(31=前オリックス)、岡島秀樹(38=アスレチックス/復帰)…。彼らの年俸だけでも10億円を越える計算だ。「ルールを守って、かつ惜しみなく」と今季の大型補強について語っていたが、ホークスの選手層はもともと厚い。身体能力の高い選手も少なくない。昨季は規定イニングに到達した先発投手が「攝津だけ」というハプニングもあったが、現有戦力と補強組が本来の力量を発揮すれば、『シーズン90勝達成』も夢ではない。そう巧くいかないのも、ペナントレースの面白さではあるのだが…。

 まず、“FA市場の一番人気”だった中田だが、中日時代よりも早めに調整している印象を受けた。キャンプ中盤の2月11日にはシート打撃にも登板しており、オープン戦も8イニング連続無失点(3月8日時点)と好調を維持している。
 だが、5イニングを投げた7日のオープン戦で(対横浜DeNA)、ちょっと気になる点もあった。中田は「ブルペンエース」とも言われてきた。練習での投球は直球、変化球ともに一級品。しかし、いざマウンドに上がるとその実力の半分も出せないまま、ノックアウトを食らい、首脳陣を泣かせていた。キャンプ中の投球練習を見た感想は「スゴイ!」のひと言。試合ではパーフェクトに抑える必要はない。多少の失点を許したとしても、ホークス打線の援護射撃があれば、「12勝以上」を計算しても大丈夫だと思った。
 しかし、セ・リーグのスコアラーは7日の登板を指して、こう言う。
 「中田のスライダーは左打者の膝元を襲ってくる。でも、その高度なスライダーが右打者に通用しない場面もある。あれだけ精度の高いスライダーなら、右打者も苦戦するはずなんだけど、(右打者の)ブランコがヒットを打っている」

 データを調べ直してみたが、中田の昨季の対右打者の被打率は1割8分4厘。むしろ右打者をカモにしていると言っていい。ボールを受ける捕手の心境を察するに、「高度なスライダーなのだから、右打者にも十分使える」と思ったはず。予測不可能な痛打を食らう…。中田にはそんな一面もあるようだ。
 ハツラツとした動きを見せていたのは、鶴岡。細川と正捕手を争っていたが、
 「肩の強さなら、細川。鶴岡は味方投手の投げたい球種を察し、投球テンポを高めていくタイプで、細川は強気なリードをする。登板する投手との相性もあるだろうが、スタメン捕手を代えれば、先発する投手は前回登板したときとは全く違う投球をしてくるだろうね」(ライバル球団スコアラー)
 と、鶴岡加入による相乗効果を恐れていた。

 4番が予定されている李大浩だが、調整が少し遅れているような印象も受けた。昨季の打率3割3厘、本塁打24、打点91の成績からして、開幕に標準を合わせてくるだろうが、練習量の多いホークスナインは必然的に早く仕上がっていく。内川、長谷川、中村、本多、松田など好打のスラッガーがオープン戦からフルスイングしていた。ホークスは選手層の厚いチームでもある。開幕後、スロースタートでもオリックスは待ってくれたかもしれないが、ホークスは違う。李大浩に鋭い当たりが出ていないのが気になった(3月上旬)。

 ウルフ、スタンリッジは投内連携プレーでもたつく様子が全くなかった。この2人が先発ローテーションを守れば、攝津1人に頼りきっていた昨季の敗因は自動的に解消される。9日のオープン戦(対横浜DeNA)で先発したウルフは4回を投げ、62球。無失点に抑えたものの、投球数の多さが少し気になったが、首脳陣は心配していなかった。新人ではドラフト2位・森唯斗(22=三菱自動車倉敷オーシャンズ)の一軍デビューが早いのではないだろうか。ストレートが早い。秋山幸二監督(51)の構想ではセットアッパーだが、速球王・千賀と比べても引けを取らない。先発候補の1位・加治屋蓮(22=JR九州)、3位・岡本健(21=新日鐵住友かずさマジック)の2人も計算に入っていると思われるが、新垣、寺原、大隣、武田らの好不調を見てから、先発デビューの日が決まるようだ。素人判断だが、加治屋、岡本の投球練習を見ていると、エースの風格というか、貫祿のようなものが漂っていた。大きく育ててほしい。この2人に無理をさせることがなければ、大型補強に成功したホークスは間違いなく、V候補なのだが…。(了)

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