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貴乃花親方ゼロからの逆襲「次の一手」

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提供:週刊実話

 それは、まさに歴史的な惨敗だった。2月2日に行われ、日本中が注目した日本相撲協会の理事候補選挙(以下、理事選)。貴乃花親方(45)の得票は、過去のどの落選者よりも少ない、たったの2票だった。
 「(一門の)みなさんは阿武松親方(元関脇益荒雄)に入れてやってください。私は(自分の)1票だけでいきます」
 事前の一門会でこう宣言し、腹をくくって立候補した貴乃花親方。それだけに、「一門を越えたところに票の手当てをしているのでは?」と見られていたが、それも全くなかったのだ。

 もっとも、心のどこかで“奇跡”を期待していたのは確かだろう。8年前の理事選をはじめ、過去に何度も、貴乃花親方はこの“ひそかに心を寄せる親方たち”の熱い支援を受けて逆転当選してきていた。
 ところが、今回は見事なまでに、追い風は吹かなかった。それほど「貴乃花を落とせ」という包囲網は強靭だったとも言える。

 貴乃花親方も、この惨敗をいち早く察知していたフシがある。理事選の時も、理事の投票を終えるや、結果も見ずにそのまま会場から立ち去ろうとした。
 「まだ副理事選が残っていますよ」
 周囲がこう言って慌てて引き留める一幕があった。「結果は見るまでもない」と思っていたのだ。失意の大きさを物語るように部屋に戻る時の表情は暗く、固く押し黙ったままだった。

 しかし、このどん底からの立ち直りは意外に早かった。翌日の節分には、春場所の宿舎でもある京都府宇治市内の龍神総宮社で行われた豆まきに、前日とは別人のような表情で参加。
 「毎年、春場所では宇治のみなさんにお世話になっています。今年もよろしくお願いします」
 約3000人のファンを前に、壇上から、こう笑顔で挨拶して見せた。そして、それからわずか4日後、貴乃花親方は一気に逆襲に転じた。テレビや週刊誌などのメディアを通じて、それまで岩のように固かった口を初めて開き、相撲協会を厳しく批判したのだ。

 矛先はまず、今回の理事選の結果に向けられた。
 「すっきりしています。やるだけやりました。私が出ていなかったら、(無投票のまま)10人で(すんなりと)収まっていた。1人でもいく、と言ったことを体現しただけです」
 こう言って、敗れて悔いなしの心境であることを明かした上で、投票に持ち込んだことの意義を強調。そして、去年の秋巡業中、日馬富士が貴ノ岩に暴行した事件にも触れた。
 「被害者を悪く言うなんて、組織としてあってはいけない。当初から相撲協会が発表することと、私が思っている真実、報告してきたこと、回答してきたこととはあまりにも違いがある」
 巡業部長の立場でありながら相撲協会にはいっさい報告せず、独断で鳥取県警に被害届を提出したとされることについて、こう強く反論。危機管理員会にこれまで20通を超える意見書や、回答書を提出してきたことを明かした。決して相撲協会の要請に、無言や無視という失礼な態度をとってきたわけではなかったのだ。

 また、日馬富士が貴ノ岩に暴行を加えるのをじっと見ていたとされる白鵬らについても、バッサリ斬った。
 「横綱審議委員会に(張り手やかちあげは、美しくない、見たくないと)言われるのは横綱ではないということです。相手を傷つけるために相撲を取るわけじゃない。そういうワザではなく、正面切ってぶつかり合っていくのが相撲の醍醐味ですから。その総称、最高位が横綱です」
 やはり貴乃花親方は、「勝てば何をやってもいい」「勝つことが品格」と言ってはばからなかった白鵬ら、モンゴル人横綱たちの傍若無人な振る舞いに、我慢できずにいたのだ。もちろん、それを今日まで黙って見逃し、自分を理事解任にまで追い込んだ八角理事長をはじめとする現体制に対しても不満を抱いている。

 たとえば、理事を解任された直後、貴乃花親方から「分かりました」と、まるで処分を了承するかのような回答があったとされることについては、こう述べた。
 「それは事実ではありません。(処分の連絡に)ハイとしか言っていません。到底、降格処分というものを個人的に受け入れられるものではない」

 では、どうするのか、というインタビュアーの質問に、「気持ちは闘います」ときっぱり。
 「その次なる一手とは、具体的にどういうものか。残念ながら伏せられたが、民事訴訟などの法定闘争に持ち込むのは確実だ。おそらく証人として白鵬、鶴竜らの現役力士だけでなく、八角理事長らの尋問も予定しているに違いない」(大相撲関係者)
 果たして、今度こそ、八角理事長や白鵬らのクビを取ることができるか。

 ただ、相撲協会サイドも黙って手をこまねいてはいない。同インタビューがテレビで放送され、13.6%という異例の高視聴率を記録すると、協会広報部はすぐさま対抗措置をとった。
 「事前に(放送の許可を求める)申請書類が提出されておらず、無許可放送だった」
 そう言って、放送したテレビ局に取材拒否などの圧力をかけてきた。今度は貴乃花親方の発信手段を奪うつもりなのだ。

 どこまでも続く、八角理事長VS貴乃花親方の対立。貴乃花親方のゼロからの逆襲はまだ始まったばかりだ。

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