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本誌スクープ イチローがオリックス球団オーナー就任へ②

年俸の後払い分が80億円超

 宮内氏は1988年秋に同球団のオーナーとなって以来、チームを見守ってきた。この間、’95年に阪神淡路大震災を経験。名将・仰木彬監督に率いられたオリックスはイチローを覚醒させ、さらに「がんばろう神戸」を旗印にリーグ優勝を達成。その翌年、日本一になり黄金時代を築いている。

 しかし、’01年にイチローがマリナーズに移籍してからは、オリックスは優勝とはほど遠い存在だ。’01年以降は18シーズンでBクラスが16回の低迷が続いている。

 しかし、オリックスとイチローの関係は切れていない。宮内氏はこれまで毎年シーズンオフにイチローがオリックスの球団施設で練習することを許しているし、同社のCMにも出演し続けている。依然、タイトな関係は続いているのだ。

 しかも、オリックスには「ポスト宮内」となるプロ野球に精通するオーナー候補者が不在である。仮に宮内氏がオーナーを退くと、球団売却の可能性も現実味を帯びてくる。

「イチローをオーナーに担ぐことで、宮内氏のDNAをオリックスに遺そうとしているのです。オーナーになれば、球界最高の意思決定機関であるオーナー会議に出席でき、イチローが危惧する『アマチュアとプロの壁』にも真正面から斬り込めて、プロ野球改革の提言ができる。宮内氏は政府の規制緩和委員会の委員長を務めた行政改革のプロ。新しい時代を迎えるプロ野球の改革をイチローに委ねたいのです」(一般紙経済部記者)

 オリックスのオーナーになるのは、一部上場企業であるオリックスの代表取締役に就く必要があるが、それは無理だとしても、子会社の球団社長(または会長)なら可能だ。そうなれば、オーナー代行としてオーナー会議に出席することが可能になってくる。

 「宮内氏が経営者・鈴木一朗に期待しているのは、長年温めてきた“球団の株式上場”です。日本が手本とするMLBや欧州サッカーの有力クラブはこの方式で運営し、強化するのがトレンドですが、閉鎖的な日本プロ野球は認めていません。しかし、現在の日本野球機構コミッショナーである斉藤惇氏は、野村證券副社長、株式会社東京証券取引所代表取締役社長を務めた実業家。いわば、株式のスペシャリストです。日米野球で殿堂入りが予想されるイチローがリーダーシップを取れば、親会社に頼らない球団経営への移行も現実味を帯びてきます」(プロ野球に詳しい証券アナリスト)

 イチローはマーリンズ時代、ヤンキースのスーパースターだったデレク・ジーター氏がCEO(最高経営責任者)に就いたため、移籍を余儀なくされた苦い実体験や、メジャー通算324勝のノーラン・ライアンが投資家集団とともに古巣レンジャーズの株式を買取、CEOに就いて実質的なオーナーを務めた成功例を熟知している。

 さらに、愛読紙が日本経済新聞というイチローには、夫の資産を株式や不動産で運用し、着実に増やしてきた弓子夫人がついており、バラ色の老後が待っている。

 イチローのメジャーリーグ18年間の年俸総額は1億6708万ドル(183億円)。前出の友成氏によると、このうち3200万ドルを引退後払いに回しているので、すでに受け取っているのは1億3200万ドル(145億円)。ここから連邦税(国税)や代理人への報酬を差し引くと、手取り額は半分ほどの6200万ドルと言われ、ここに各社のCM出演料が加算される。あえてリスクの高い監督業に就く必要はないイチローにとって、球団経営は第二の人生に合致しているのだ。

 「球団が給料の一部を高金利で後払いにしてくれるのは、ごく一部の有名選手だけで、メジャー全体で10人もいません。この後払い分には5.5%の利息が付くため、今後、イチローは7300万ドル(80・3億円)受け取ることになります。そこへ62歳になるとMLB年金10万ドルの支給も始まります。これらの支払いのほか、資産運用で金融資産がかなり膨らんでいると思われます。不動産はシアトル郊外の自宅が300万ドルくらいの評価額で、ロサンゼルスやハワイにも物件を所有しているようです」(前出・友成氏)

 イチローにはマーリンズもフロント幹部の役職を用意しているが、人と同じことをするのが嫌いで、常に球界のパイオニアであり続けるイチローだ。そんな彼にとって「プロ野球オーナー」以上の魅力はない。

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