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【山口敏太郎の妖怪伝説】災害の前に現れる?今ネットを騒がせる「件(くだん)」「牛女」の噂

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画像はイメージです

 18日、大阪市北部を震源とするM6.1の地震が発生した。多数の死傷者が出たほか、大規模な停電も発生するなど、大きな被害が出た。

 地震をきっかけに「動物園からシマウマが逃げ出した」などのデマツイートが流れる騒ぎもあった。そんな中、奇妙な証言がネット上に現れた。Twitterに投稿したその人物は仕事帰り、街灯の下に四本足の「子供の顔をした黒い生物」を目撃したという。あまりに不気味な生物だったために走って帰ったと証言していた。この生物の正体についてネットで話題になり、地震直後だったこともあって「妖怪の件(くだん)」ではないかとする意見が寄せられていた。

 大きな天災の前には、昔から人の顔をした牛のような妖怪「件(くだん)」が出現すると言われていた。災いの前に牛から生まれてきて、予言を残して去ると言われているもので、阪神淡路大震災や東日本大震災の際にも出現したという噂が存在している。

 関西圏には「件(くだん)」に似た妖怪の都市伝説が存在しており、兵庫の甲山近辺など、関西を中心に出現したとかつて噂されている。頭の部分は牛で、体は人間の女性だという。この「牛女」は不吉な予言をするという。また、凶暴で、人を襲うとの噂がある。牛の体に角の生えた女性の顔が付いた変種が存在するとも言われている。

 牛女はもともと、良家のお嬢様だったという伝説も残っている。太平洋戦争の頃、神戸の裕福な商家に生まれた「件」は、生まれた時から頭にこぶのようなものがあった。そのこぶは次第に大きくなって角のようになり、顔もいつしか牛のようになった。彼女を恐れた親たちは彼女を座敷牢(ろう)に幽閉し、誰の目にも付かないように育てた。しかし、戦争の際の空襲で屋敷は焼け落ち、閉じ込めていた牢が壊れ、かねてから恨みを募らせ凶暴化した彼女は解き放たれることになったのだという。

 この牛女は一時期、若者たちの間で広く噂された。関西圏では「牛女が出る」と言われた峠道にわざわざ出かけていく者も現れるようになったのだそうだ。

 今回目撃された生物が「件(くだん)」や牛女だったのかは分からない。だが、予言をするという人面獣身の妖怪に似た生物がこのタイミングで出現したということには、何らかの不気味な符合を感じずにはいられないのだ。

(山口敏太郎)

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