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「残業は減っても仕事量は減らない」働き方改革法施行に悲痛な声 “見えないサービス残業”が蔓延?

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 4月1日より働き方改革関連法が順次施行されて約2か月が経つ。時間外労働(残業)の上限規制などを巡り、一部企業で「しわ寄せ」が出始めている。

 残業時間の上限規制は月45時間、年360時間が原則。特例でも最長で月100時間未満、年720時間以内で、違反企業には罰則として6か月以下の懲役または30万円以下の罰金が科される(※中小企業への適用は来年4月)。しかし、働き方改革関連法が施行され、残業時間は減ったが仕事量は減らず、むしろ負担が増えている社員が多いようだ。

 企業のコンサルティングをしている“あしたのチーム”の経営者100名と管理職300名を対象に、2019年4月23日から25日に実施した「2019年4月 中小企業の働き方改革実態に関する調査」によると、働き方改革関連法の残業上限を超える社員が出るおそれのある企業において、7割以上が労働時間の適正化(長時間労働の是正)の施策を実施。しかし、「実施していない」も含め、実際には 労働時間適正化が進んでいない企業も7割近くであることがわかった。内訳を詳しく見ていくと、「取り組みはしているが改善していない」が43.7%、「そもそも取り組んでいない」が26.1%となっている。

 また、人材会社“エン・ジャパン”が2019年3月27日から5月14日にわたって、724社を対象に人事担当者から回答を得た「企業の『時間外労働の上限規制』実態調査 ―『人事のミカタ』アンケート―」によると、時間外労働の上限規制についてどう思うかという質問に3社に1社は懐疑的という結果に。その理由として、「残業時間が減っても、従業員の負担が減るわけではない」「人手不足の解決を優先すべき」などの回答が寄せられたようだ。

 実際、ネット上では「『残業を減らせ、休日を増やせ』と上からは言われるが、仕事量は変わらないので辛い」「残業ができないから、家に持ち帰って仕事をしている」「部下が仕事を放り投げて帰るから、そのしわ寄せが残業代の出ない管理職に回ってくる」「残業規制で20時には退社しないといけないので、早朝出社しているが昼休憩にも行けない」などの声が上がっている。

 労働時間の適正化が進まない企業が7割もある現状。そして、残業が規制された企業では、持ち帰りや早朝出社など“見えないサービス残業”があるようだ。こうなると何のための働き方改革なのか目的が不明だ。疲弊し続ける社員達の嘆きは続いている。

記事内の引用についてあしたのチームより
https://www.ashita-team.com/survey/20190528

エン・ジャパンより
https://corp.en-japan.com/newsrelease/2019/17672.html

室井一誠

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