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史上初の6大関時代に突入した相撲界に緊急提言〜陥落制度の改定

 先の大相撲春場所で13勝2敗の好成績を挙げた関脇・鶴竜(26=井筒)の大関昇進が、3月28日に決定した。直前3場所で33勝をマーク。春場所は横綱・白鵬(27=宮城野)と並ぶ星で、優勝決定戦に進出。敗れて優勝こそ逃したものの、文句ない成績で大関獲りを果たした。

 これで、大関は史上最多の6人。まさに戦国時代を迎えることになる。これが、ハイレベルでの争いになればいいのだが、今の大相撲をつまらなくしている元凶はふがいない大関陣だ。常に大関陣が白鵬と優勝を争ってくれれば盛り上がるのであるが、実態は逆。

 八百長が全面禁止となり、オールガチンコとなった昨年5月の技量審査場所(東京・両国国技館)以降、白鵬以外では日馬富士(27=伊勢ヶ浜)=昨年7月・名古屋場所=と、把瑠都(27=尾上)=1月・初場所(両国)=が優勝した。しかし、いずれも綱獲り場所は日馬富士が8勝(7敗)、把瑠都が10勝(5敗)と期待を裏切り、強さを継続できないのが現状。
 新大関の鶴竜を含め、ここ1年6場所の成績を見ると、6場所連続2ケタの把瑠都が最も安定しており、66勝24敗。これに鶴竜64勝26敗(関脇5場所、小結1場所)、日馬富士62勝28敗、琴奨菊(28=佐渡ヶ嶽)61勝29敗(大関3場所、関脇3場所)、稀勢の里(25=鳴戸)60勝30敗(大関2場所、関脇4場所)、琴欧洲(29=佐渡ヶ嶽)40勝38敗(2不戦敗)12休と続く。むろん、大関と関脇、小結では責任、立場が違い、新大関3人と他の大関の成績を一様に評価することはできない。

 この1年間で、日馬富士、把瑠都が優勝した際の14勝(1敗)以外で、12勝以上を挙げた大関が誰一人いないというのは、情けない話。各大関は前半、中盤で格下相手にいくつか星を落とし、終盤の横綱、大関との対戦で星を潰し合って、ほとんどの大関が優勝争いに絡めず平凡な成績に終わるのが定番となっている。この上、来場所から1人大関が増えれば、さらに星の潰し合いが激化する。

 そこで提言だが、現在の大関陥落の規定は2場所連続負け越し。これがあるために、大関陣は勝ち越すことでホッとしている状況。これを厳しくして、いっそ勝ち越し負け越しにかかわらず、2場所連続で1ケタ勝利に終わった場合は大関を陥落させたらどうか。そうすれば、格下相手でも目の色が変わり、本当に強い大関だけが生き残ることになる。

 大関の最低限の責任は2ケタ。これがクリアできなければ、大関の責任を果たしたとはいえない。故障があったとはいえ、この1年間でわずか1場所しか2ケタ勝利を挙げていない琴欧洲が、大関に君臨していること自体、奇妙に思えてくる。

 白鵬を脅かす力士が出てこない限り、大相撲は盛り上がらない。1場所限定ではなく、継続的にである。これくらいのショック療法を与えなければ、現在の地位に安閑としている大関陣を発奮させることはできないのではなかろうか。
(落合一郎)

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