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【帰ってきたアイドル親衛隊】デビュー前、本人を見たことないのにファンクラブ入り決めた大沢逸美

 1982年に行われた『第7回ホリプロタレントスカウトキャラバン』でグランプリを獲得して、83年2月に『ジェームス・ディーンみたいな女の子』でデビューを果たした。長身でボーイッシュなキャラということで、可愛らしいさというよりカッコイイ雰囲気を持ったアイドルだったこともあり、デビュー以前から注目度は高かった。

 大沢を知ったのはデビューする1か月くらい前のことだった。この時に私は、ホリプロに堀ちえみのファンクラブの更新をしに出向いていた。本来なら振込みで済むことなのだが、なぜか更新のたびにホリプロに行くのが習慣になっていた。というのも支払いをしに直接行くと、ホリプロ所属のタレントの非売品グッズがもらえたりするので、3か月に1度の支払いが本当に楽しみだった。この日は、デビュー前の大沢の売り出しについて話しを聞かせてもらったのだが、この時に、いきなりファンクラブの入会を勧められた。

 まだ会ったことも無いし、どんな子なのかもわからないままファンクラブに入会するのはリスキーな感じだったが、デビュー曲のサイン入りポスターとキーホルダーをくれるというので、とりあえず入会することにした。しっかりモノで釣られてしまったが、先物買いという考え方ではありという判断をしてみた。ちなみにファンクラブの会員番号は6番だった。一桁で早い番号だったので、もちろん嬉しかったのだが、私より早く入会した人が5人いることに驚いた。

 そうこうしているうちにデビュー日になり、デビューイベントなどが全国で頻繁に行われるのだが、タイミングが合わず、結局デビューイベントには一度も参加することは無かった。デビューイベントが落ち着いた頃に、ようやく大沢を観る機会がやってきた。当時、絶大な人気を誇った番組『たのきん全力投球』(TBS系)の公開収録である。公開収録は日本青年館で行われたのだが、ここで新人紹介のコーナーに大沢が登場した。縁あって知ったアイドルということもあり、私はステージに釘付けになっていた。5分そこそこのステージだったが、これまでの経緯を考えると、この瞬間がすごく大切な時間であり、自分にとって思い出の瞬間でもあった。

 この頃から音楽祭などの賞獲りレースがスタートするのだが、新人賞候補のメンツが微妙と言われる年代になってしまった。ちなみに83年組は大沢のほかに、森尾由美・岩井小百合・松本明子・桑田靖子などがいた。前年の82年組(小泉今日子・中森明菜・堀ちえみ・早見優・石川秀美など)に比べると見劣りするところもあり、83年組は不遇な組なんて言われることもあった。しかし、アイドル好きに不遇も豊作も関係は無い。好きなところに行くまでなので、私自身も深くは考えていなかった。なので自分の行きたいと思った公開収録や新曲キャンペーンにも精力的に足を伸ばしていった。

 話しは横道にそれてしまったが、大沢とようやく接点を持つことができたのは、デビューから約1年後だった。この時にTBSのスタジオで『8時だョ!全員集合』の収録があり、この収録後の出待ちをすることにした。たしかこの時のゲストは、柏原よしえと松本伊代と研ナオコだった気がする。申し訳ないが大沢は、この中で知名度が一番低かったこともあり、出待ちでは大沢のところにあまり人が溜まることもなかったので、ゆっくりと話すことができた。会話の内容は、もちろんデビュー前のファンクラブ入会の時のことを中心に話してみた。初めての会話だったので、最初は緊張していたが、思っていたイメージとは違い、気さくで優しい口調で話してくれたので、かなりイイ印象を受けた。

 この出待ちをキッカケに大沢は私にとって気になる存在となったのだが、歌番組などの出演も減ってきて、現場で会うことがほとんど無くなってしまった。このままだったら大沢熱は冷めるかと思っていた矢先に、私の大好きな大映ドラマに出演が決まった。杉浦幸主演の『ヤヌスの鏡』(フジテレビ系)である。ここで野獣会会長という悪役だったが、カッコ良さが全面に出た役であり、女優としての資質が見出された感じだ。このドラマ出演以降は、レコードのリリースも激減し、アイドル活動はほとんど無くなってしまったが、アイドルから女優へとなるキッカケになった作品と言えるのでは無いかと思う。

 以降も2時間ドラマや昼ドラなどを中心に出演していたが、母親の介護で芸能界から距離を置くことになり、しばらく離れてしまった。現在は再び女優として活動をし、さらに講演会などにも出演することも多いようだが、できるならもう一度アイドル当時の曲を聴かせて欲しいものだ。もし大沢と会う機会が私に訪れるのなら当時を振り返るような話しをしてみたいと思う。
(ブレーメン大島=毎週土曜日に掲載)

【ブレーメン大島】
 小学生の頃からアイドル現場に通い、高校時代は『夕やけニャンニャン』に素人ながらレギュラーで出演。同番組の「夕ニャン大相撲」では元レスリング部のテクニックを駆使して、暴れまわった。高校卒業後は芸人、プロレスのリングアナウンサー、放送作家として活動。現在は「プロのアイドルヲタク」としてアイドルをメインに取材するほか、かつて広島カープの応援団にも所属していたほどの熱狂的ファンとしての顔や、自称日本で唯一の盆踊りヲタとしの顔を持つことから、全国を飛び回る生活を送っている。最近、気になるアイドルはNMB48の三田麻央。

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