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怪現象!「阪神打線がコワイ」相手投手から悲鳴、中でも1番怖い打者は…?

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 1番バッターは俊足タイプが良い。このアナログ的な打順の編成法は、令和の時代になっても十分に通用する。それを、矢野阪神が証明しつつある。

1番・近本光司 打率.280 出塁率.331
2番・糸原健斗 打率.248 出塁率.363
3番・糸井嘉男 打率.304 出塁率.414
4番・大山悠輔 打率.257 出塁率.301
(5月19日現在)

 ようやく、打順が固定されつつある阪神の1番バッターから4番までの成績だ。安打、本塁打といった“打撃能力”のみの数字を示す打率よりも、四死球を加算した出塁率のほうが高くなる。

 注目すべきは、1番に定着した近本の盗塁だ。盗塁数「11」はリーグ2位。トップは「12」で、ヤクルト・山田、中日・大島の2人。しかし、近本は盗塁において、山田、大島とは異なる数字も残している。盗塁失敗を意味する「盗塁死」はリーグトップの「5」を記録していた。つまり、近本は合わせて「16」というリーグトップの“盗塁挑戦”を行っているのだ。

 その影響だろう。打点数を見ると2番・糸原は「14」、3番・糸井は「14」、4番・大山は「26」と高い数字を残している。

 投手出身のプロ野球解説者がこう言う。

 「近本が出塁したら、対戦チームのバッテリーは『一塁走者・近本』と『次打者・糸原』の両方に気を遣わなければなりません。近本に二盗を許してしまえば、シングルヒット1本で近本は本塁までかえってきます。1点献上ですよ。だから、近本への警戒はおろそかにできません」

 一塁走者・近本への警戒。それは、クイックモーションやけん制球だけではない。味方捕手に二塁に送球してもらい、「アウト」を取ってもらわなければならない。クイックモーションも大切だが、コンマ1秒を争う場面だから、投手から捕手にボールが渡る時間を短縮しようと、変化球よりも直球中心の配球になってしまう。

 糸原には「まずは真っすぐ狙い」という、ヒットを打ちやすい前提が与えられるのだ。前出のプロ野球解説者は、阪神OBのスピードスター・赤星憲広氏が現役だったころと、今の阪神打線が似てきたとも話していた。

 矢野燿大監督は昨季、二軍を指揮していた。今さらだが、同年の阪神二軍は「シーズン163個」という驚異的なチーム盗塁数をカウントした。矢野二軍監督(当時)は「次の塁を果敢に狙う姿勢を植えつけるため」と語っていたが、走塁センスの高い1番バッターがいることによる相乗効果も十分に分かっていたはずだ。赤星氏がルーキーイヤーから5年連続で盗塁王を獲得した時代、矢野監督は現役の捕手として活躍していた。

 足の速いバッターを1番に置く。盗塁は、相手投手のモーションを盗むセンスや研究なしにはできない野球技術ではあるが、スピードプレーヤーの出現は、チーム全体に大きな相乗効果ももたらす。「阪神打線がイヤ」、そう話す投手も増え始めた。盗塁がダメ虎を蘇生させつつあるようだ。

(スポーツライター・飯山満)

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