特捜部の調べによると、牧野容疑者は架空の移籍料を計上するなどの手口で、06年12月期までの3年間に、約11億5900万円の法人所得を隠し、法人税約3億4500万円を免れた疑いが持たれている。
「牧野容疑者は、ア社の所属タレントが、関連会社2社に所属しているかのように巧みに偽装。2社からタレントを引き抜いたように装って移籍料を支払った形にするなどして架空経費を計上。さらに、ア社を含めた3社間で所得を移し替え、所得が少なくなるよう経理操作していた。昨年3月に東京国税局から強制捜査を受け、修正申告に応じたが、手口が悪質すぎて地検に告発されていた。脱税額からして、執行猶予なしの実刑に加え、多額の罰金刑を科せられる可能性が高い」(地検担当記者)
国税の強制捜査後、「アヴィラ」と業務統合したことをHP上で発表。所属タレントも移籍したとしているが、当時、すでに眞鍋と事務所の関係は修復不可能だった。
「眞鍋は新人時代から薄給でこき使われ、そこそこ売れてからテレビ番組で『月給は5万円』とバラエティー番組で暴露していた。長年、搾取されたため、法廷闘争にも発展しそうなほど関係がこじれ、すでに移籍先を探している。眞鍋なら受け皿になる事務所はいくらでもあるだろう」(芸能プロ幹部)
これに拍車をかけたのが、衆院選の静岡7区に立候補した城内実氏(44)の選挙ポスターに起用された件での騒動だという。
「眞鍋はブログで“無断使用”を強調したが、牧野容疑者は了承済みで、眞鍋に伝えていなかっただけ。眞鍋があまりにも怒ったので、牧野容疑者はバックの芸能界の大物に泣きついて騒動は収まった」(同)
眞鍋以外も同様の“被害”を受けているようで、「小倉は、勝手に名前を焼肉店に使われたりしているが、そのロイヤリティーは全く入らない。ほかのタレントも自分が知らないところに写真や名前を使われ、事務所がうまく儲けた」(週刊誌記者)というから、“眞鍋に続け”とばかりに所属タレントの大量離脱もありそうだ。牧野容疑者が私腹を肥やした代償はあまりにも大きかった。