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専門医に聞け! Q&A ★秋の乾いた咳の対処法

Q:毎年10月になると、きまって風邪を引いたのがきっかけで、風邪が治ったあとも咳が出て、1カ月ぐらい続きます。コホコホといった感じの咳で、夜間に出ます。咳込むと顔面が火照り、時には胸が痛むこともあります。咳が出なくなる、よい対策法がありましたら教えてください。
(42歳。家具製造業)

A:ご質問の方のように、湿気が多い夏がすぎた秋のこの時期、長引く咳に困る人はけっして珍しくありません。
 普通、夜間に出て、ご質問の方のように顔が火照り、胸が痛みます。
「コホコホ」といった感じの咳とおっしゃっていますが、空咳といえる乾いた咳であることが特徴です。痰を伴わない空咳です。痰がからんだような重い咳ではありません。
 秋にこのような乾いた咳が出ることは、カラッとした秋の気候が関係しています。
 気温が下がり、乾燥しやすい秋は、肌や髪、口や喉も乾燥しやすくなります。そのため、喉が傷つき、咳が出るわけです。

●梨の皮を煎じて飲むとよい
 乾燥が喉を傷めますが、東洋医学では、実は肺が乾燥しており、そのことが咳の原因と考えます。乾いた空気が体内に入り込み、肺の中が水不足になった結果、咳が出ると考えられます。肺は熱を持っているのです。
 ですから、治療は冷やして熱をとり、潤す漢方薬を処方し、肺を潤します。

 その代表的なものが「秋梨膏」という飲み薬です。これは秋の果物の一つの梨の皮を煮詰め、練ったものです。梨には体を冷やす性質があります。

 梨の皮は生薬名を梨皮といい、漢方で用いられますが、日本ではあまり使われていません。そのため、秋梨膏も一般では販売されていないのです。もし使用したい場合は、漢方薬局で相談し、作ってもらうとよいでしょう。

 代用として、梨の皮を乾燥させてから煎じる方法があります。梨1個の皮を水300㍉㍑で半量になるくらいまで煎じます。これを1日2回、朝と就寝前に半分ずつ飲みます。
 この方法でも相当効果はあるはずです。咳の兆候があったら、早めに試してください。
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岡田研吉氏(研医会診療所漢方科医師)
東邦大学医学部卒。ドイツ留学中に東洋医学に関心を持ち、帰国後、国立東静病院で漢方を学ぶ。独自の漢方処方で生活習慣病等に成果を上げている。著書『さらさら血液が長生きの秘訣』など多数。

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