「フル参戦1年目での最多獲得賞金額の記録を破るかもしれません。2004年、宮里藍の1億2297万2349円が最高記録ですが、宮里超えは射程圏内に入りました」(専門誌記者)
渋野が今季国内3勝目を上げたのは、9月下旬のデサントレディース東海クラシックだった。8打差の大逆転優勝で賞金1440万円を獲得。通算獲得賞金がこれで1億円を突破した。次週も22位につけ、10月11日からのスタンレーレディス直前までの獲得賞金額は1億1150万円あまり。あと9試合を残しており、宮里との差が1000万円ほどに縮まった。
「今のペースであれば記録を破る可能性は高いと思いますが、賞金女王争いでは現在、韓国の申ジエに次ぐ2位。女王になって宮里超えを果たさなければ意味がありません。気の抜けない一戦が続きます」(同・記者)
渋野の逆転女王を予想する声も多い。というのも、彼女には「27.7%の武器」があるからだ。
「この数字は、シブコの代名詞にもなりつつある“バウンスバック率”です。バウンスバック率とは、ボギーなどでスコアが上がった直後のホールでバーディーなどを決める確率のこと。これが27.7%と圧倒的に高く、失敗を引きずらない精神力がシブコの最大の武器なのです」(関係者)
渋野は移動中、ファンとハイタッチをし、特に子供には丁寧に対応している。ひと昔前だったら、「ヤル気あるの〜?」と先輩たちにイビラレていただろう。
宮里超えを期待する声が大きいのは、そんな彼女の明るさにファンが好感を抱いているからに違いない。
賞金女王に輝けば、08年の上田桃子を抜き、最年少記録となる。ハイタッチでツアー光景も変えたように、国内記録もシブコカラーに染め直せるだろうか。