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ペットボトル飲料急増の波は環境保護に逆行しないか

 1971年にアサヒビールが缶ビールをスチール缶から総アルミ缶に切り替えて以降、その軽さが物流コストを削減したことから飲料業界がこぞって採用し、アルミメーカーの業績を押し上げてきたが、それに今、異変が起きている。今年2〜5月の缶材の出荷量が、前年同期の実績を下回っているのだ。
 「ペットボトルコーヒーブームにボトル型アルミ缶飲料が押された結果です。昨年4月にサントリー食品が発売し、わずか1年で3億6000万本を売り上げた『クラフトボス』がブームの火付け役。6月にはサントリービールからペットボトルのノンアルコールビールが登場して、アルミ缶の独壇場だったビール系にまで中身の見えるペットボトル化の波が押し寄せている」(飲料業界紙記者)

 しかし、この流れは環境保護に逆行していないのか。
 スターバックスやマクドナルドでは、プラスチック製ストローなどの提供を廃止する動きが広がっている。理由は、日本各地で行き場を失ったプラスチックごみが山積みになっているためだ。
 「1月に中国政府が突然、これまで世界中から受け入れていた資源ごみ、プラスチックごみの輸入を禁止したことが、このような事態を招いているのです。これまで輸出するペットボトルごみの7割以上を中国に送っていた日本は、急きょ第3国に輸出する企業、国内処理に奔走する企業など、待ったなしの取り組みを進めている状態です」(環境問題に詳しいライター)

 日本のペットボトルの消費量は、'90年代半ばから右肩上がりで増え続けてきた。そのためリサイクル法の整備などが進み、80%以上の回収率を誇ってはいる。
 「しかし、それ以上に消費のペースが伸びており、回収しきれないプラスチックごみが溢れ返る始末となっているのです」(同)

 ここへきてのペットボトルブームには、疑問を抱かずにはいられない。

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