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新日本5.3福岡でIWGP初挑戦のファレ、21世紀のベイダーになれるか?

 新日本プロレス4.9両国国技館大会。10,231人(超満員札止め)と、昨年4月の両国大会よりも多くの動員に成功。関係者の話によると、「雨だったにもかかわらず、残り僅かだった当日券も完売しました」とのこと。この大会で最もファンの興味を引いたのは、メインイベントで行われたIWGPヘビー級選手権試合、オカダ・カズチカに柴田勝頼が挑戦したタイトルマッチだったのは言うまでもない。オカダと柴田による前哨戦は、前哨戦の域を超えるような意地のぶつけ合いだった。試合は38分を超える死闘の末、オカダがレインメーカーで勝利。4度目の防衛に成功する。試合後、柴田は体調不良を訴え病院に緊急搬送。診察の結果、硬膜下血腫が見つかり、処置の為の手術を行ったが無事成功し、現在は安静状態となっている。

 当然、勝ったオカダもかなりのダメージを受けていたが、勝ち名乗りを受けようとしたその瞬間、背後にバッドラック・ファレが現れオカダを急襲。必殺バッドラックフォールでKOした。これにはオカダのマイクによる締めとエンディングを期待していたファンから大ブーイング。屈辱を味わったオカダはファレの実力行使による挑戦表明を受諾。翌10日に5.3福岡国際センター大会での対戦が決定した。

 「闘うなら『ヤバいファレと闘いたいな』って思いますよね」

 オカダは「ファレも(バレットクラブの用心棒として歴代のリーダーである)プリンス・デヴィットやAJスタイルズ、ケニー・オメガの陰に隠れていて溜まっているものがあると思う」と前置きした上で、“ヤバい”ファレと闘いたいと挑戦者に注文をつけた。

 さらにオカダは話を続ける。

 「『いま』って言ってるボクが、『昔、昔』言って申し訳ないですけども、最近の外国人選手はみんな強いですけど、キレイすぎるというか、上手すぎるというか、そういう選手がいた中で、ファレはどちらかというか、昔ながらの外国人じゃないですけど、まだまだ持ってるモノはあると思いますし。そういうのを出して大暴れしてもらわないと、ボクに勝てないと思いますので、勝つ気で来てもらいたいと思います。そのファレをボクが倒したら、また『俺、強ぇな』って思うと思うんで」

 ファレには昔ながらの外国人を感じると分析したオカダだが、そう感じているのはオカダだけではない。古くから取材をしている報道陣や、ファンの間からも、かつて新日本プロレスのエース外国人として、日本人選手の壁になっていた“皇帝戦士”ビッグバン・ベイダーと、ファレを被らせる声は大きい。これまでも棚橋弘至や中邑真輔、そしてオカダも怪物的なパワーで、節々に圧殺してきたファレだが、意外にもIWGPヘビー級王座は今回が初挑戦となる。この試合でさらなる覚醒を果たし王座奪取となれば、ファレが21世紀のベイダーとして新日本マットを席巻するのも夢ではない。バレットクラブ内のパワーバランスも変えられる大チャンスである。

 ファレにとって課題をあげるとするなら、今年に入ってからのIWGPヘビー級選手権はいずれも40分前後の試合が続いており、王者のオカダは底知れぬスタミナを見せつけて勝利を収めている。これはファレにとって未知なる領域。しかし、ファレが圧倒的なパワーで試合の主導権を握り、オカダが得意とする長期戦ではなく短期決戦で勝負をかければ、十分に勝機はある。

 今回のIWGPヘビー級選手権は、大型外国人選手の“復権”もかかった重要な試合。ファレはベイダーを超える素質と、レスラーとして大切な柔軟さを持っているだけに、大いに期待したい。

(どら増田)
(C)新日本プロレス
【新日Times vol.64】

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