ラグビー・ワールドカップ日本大会が、今年9月9日に開幕する。その大舞台をエスコートする日本ラグビーフットボール協会が理事会を開いたのは、4月17日のことだ。同会合で森喜朗名誉会長、岡村正現会長がその場で辞任の意思を伝えていたのだが、ここへきて、ようやく後任候補が絞られてきた。その候補の1人が清宮克幸氏である。
「森、岡村両氏が辞意表明とともに口にしていたのは、『若い指導者』です。現在、フリーになっているラグビー界の有力な若手指導者といえば、清宮氏しかいません。昨シーズン終了と同時に8シーズンに渡って率いたヤマハ発動機の監督を退いた後は、個人的な後進指導のようなことをしています」(スポーツ紙記者)
次期会長は、非常に難しい舵取りとなる。W杯後の集客減も懸念されており、若くて強い指導者でなければ、事態は乗り越えられないだろうとされていた。そこで浮上してきたのが、克幸氏である。
「克幸氏は知性派でクリーンなイメージが浸透しています。彼がトップに立つなら応援したいと思う企業も現れるでしょう」(同)
ラグビー界の改革派として克幸氏が表に出れば、息子・幸太郎への目線もこれまでとは違ってくる。
「オープン戦で右手有鈎骨を骨折し、4月半ばに打撃練習を再開させました。でも、緩いボールを打っているだけなので、完全復帰はまだ先の先。指名打者として、7月にはテストで実戦に復帰させる予定だと聞いています」(球界関係者)
清宮はケガが多すぎる。体は克幸氏に引けを取らないほど頑丈だが、高校時代の練習量が少なかったからだろうか、疲れがたまりやすく、無理が利かないのだ。疲れているときにケガをする傾向もある。
「今季は『調整』で終わってしまいそうですが、将来のためにも無理をさせるべきではありません。しかし、父が精力的にラグビー界のために働いているときに緩いボールで練習しているとなれば、幸太郎ファンはガッカリですよ」(同)
父親は引退してもその世界から必要とされる偉人だ。一方の息子は結果を出せず、悶々とするだけ。
これでは、長嶋親子と同じだ。一茂は近年、タレントとしてその地位を確立させたが、幸太郎がそうならないことを祈るばかりだ。