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押切もえ 文芸誌デビュー作が書籍化

 モデルの押切もえが初の短篇連作集を刊行することがわかった。

 2013年に書き下ろし長篇小説『浅き夢見し』を出版、阿川佐和子氏等々に絶賛されるなど各所で高い評価を受けたが、今回は老舗文芸雑誌「小説新潮」へ初登場、隔月連載された短篇連作集「永遠とは違う一日」が2月26日に新潮社より発売される。

 有名作家が一読し、「これ、ゴーストライターがいるでしょ!?」と編集者に訊いたほどの圧倒的筆力(とゲラへの徹底した推敲)で、恋に傷つき、仕事に励み、人生の岐路に立つ女性たちの心情を巧みに掬い取り、彼女たちの背中をやわらかく前へと押してくれる新しい名作となっている。

 押切もえは、「最初は、これまでに出会った素敵な女性や、そろそろ年齢的に書けなくなるかもしれない女子高生の気持ちを書きとめておきたかったんです。でも、そのうちに〈こんな立場の女性に会いたい〉と思って取材させて頂いた助産院の方やLGBTの方などが、かけがえのない瞬間を下さって、彼女たちの姿を書かずにはいられなくなりました。仕事や恋に悩む点では私も変わらないのだから、彼女たちときちんと向き合いたくて…。恥ずかしい話、いろんな女性の(本当に人それぞれで、でもどこか共通している)悩みを思ううちに、書きながら泣いたこともあります。ひょっとすると私はこの本を完成できたことで、女性として、文章の書き手として、ほんの少しだけ成長させてもらえたのかもしれません」と一年以上に及んだ執筆の時間を振り返っている。

 年齢や境遇が異なる女性心理を描き分ける巧みさ、自らアポイントを十何件も取ってまわった取材の綿密さ、女性ならではの小道具の使い方、何より物語の舌を巻く面白さなど、読みどころ満載の短篇連作集となっている。

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