中日ドラゴンズの松坂大輔(38)が練習を再開させた。今年2月、キャンプ地の沖縄で「ファンに引っ張られた」と右肩の異変を訴えてから、ようやくのキャッチボール再開だが、チーム首脳陣はこの一報にことのほか喜んでいたという。
「70メートルほどの距離で約20球を投げただけ。実戦に復帰するメドは全く立っていません。まあ、痛みはなかったようですが」(スポーツ紙記者)
松坂の練習再開は大型連休に突入したばかりの4月29日だった。球団は「二軍戦に投げさせてから」と“早期の実戦復帰”も示唆していた。
また、コンディショニングコーチを専属にさせるなど、復帰に向けて万全の態勢を敷いていた。まさに、「ここまでする!?」と言いたくなるようなVIP待遇である。
「中日OBの与田剛監督を迎えても、観客数が安定しません」(地元紙記者)
主催15試合を経過した5月4日時点での中日の観客動員数は、合計45万6890人。1試合平均で3万459人。セ・リーグ全体では5位で、リーグ平均が3万4000人弱だから、平均以下ということになる。また、’18年度の1試合平均は3万147人なので数字は横ばいだ。
「’18年オフ、ドラフト1位での大阪桐蔭の根尾昂の指名に成功し、『今年こそは!』と、営業サイドに活気がみなぎりました。なのに、松坂、根尾ともにケガで二軍暮らし。目玉が新監督だけでこの数字は、むしろ健闘と言えるかも」(同)
松坂の早期復活を願う理由は、ここにある。
先のキャッチボール再開について、こんな情報も聞こえてきた。
「20球ほどキャッチボールをした後、何をしたと思います? 室内練習場に移動してバッティング練習ですよ。それも、左打席でも打つというオマケ付き」(球界関係者)
故障も癒えたのだから、走り込みの量を増やすなどハードなメニューを課してもいいのだが、そのへんはベテランということで“免除”。他にやることがないから、バッティング練習に遊びを加えたのだろう。
「経営陣は松坂人気の根強さを再認識しており、松坂が投げれば勝敗に関係なくお客が入ることを知りました。たとえ負けても、ファンは好意的。こんなオイシイ選手は他にいません」(前出・地元紙記者)
見方を変えれば、「戦力にならなくてもいいから、一軍で投げてくれ」と言っているわけだ。
「故障でチームを離れていた間も、大手清涼飲料水メーカーのテレビCMに出演していました。今の中日で、全国放送のCMに起用される有名選手は松坂だけ。CM出演が松坂の再復帰登板でお客を呼ぶ布石になればいいのですが」(同)
マイペース調整も度がすぎると、若い選手にシメシがつかない。復帰登板はペナントレースの行方もはっきりする9月以降になるという。
そのとき、試合序盤で大量失点すれば、集まったお客さんも途中で帰ってしまう…。中日は緊張感のない平成の怪物よりも、令和の新スター・根尾の育成を急ぐべきでは?