アイドルの復興支援活動 認識不足でバッシングも地道に継続

アイドル 2016年03月13日 12時00分

アイドルの復興支援活動 認識不足でバッシングも地道に継続

 2011年3月11日、東北地方を中心に未曾有の被害をもたらした東日本大震災。発生直後はもちろんのこと、思うように進まない復興へのバックアップとして、現在もさまざまな支援活動を行っているアイドルたちは多い。国民的アイドルグループ・AKB48とその姉妹グループたちも定期的な復興支援活動を続けている。

 今年3月6日、岩手県盛岡市を訪れ、復興支援ライブを行ったAKB48グループ。AKBからは総監督の横山由依を筆頭に、小嶋陽菜、渡辺麻友、柏木由紀、SKEから松井珠理奈、NMBから山本彩、HKTから指原莉乃、NGTからは北原里英ら、計26名が参加。岩手県民会館に集まった地元住民ら約1500人の前で、『フライングゲット』『ヘビーローテーション』『恋するフォーチュンクッキー』など全16曲を披露した。オープニングアクトには、地元で活動する2人組アイドル「石巻ミルキーガール」も登場し、盛り上げにひと役買った。また、東日本大震災から丸5年となる3月11日当日には、AKB、SKE、NMB、HKT、NGTの48グループが各地の拠点劇場で復興支援特別公演を催した。

 こうした復興支援活動には、多くの被災者や地元住民が感謝の意を表し、全国からも賛同の声が寄せられている。しかし、なかには「売名行為」「偽善だ」「3月11日の前後だけ活動しても意味がない」など、批判的な見方をする向きもある。

 著名人の慈善活動にこうした心ない声が向けられるのは、ある意味で仕方がないことだ。ただ、「3月11日の前後だけ」という認識はまったく正しくない。48グループでは、東日本大震災発生直後の2011年3月、「誰かのために」プロジェクトを発足。義援金の寄付を募る一方で、同年5月からは毎月1回、メンバーが交代で被災地を慰問し、ふれあいに重点を置いた支援活動を行ってきた。

 前述の復興支援ライブは59回目にあたり、そのなかでは東日本大震災だけでなく、新潟県中越地震、阪神・淡路大震災、2015年9月の関東・東北豪雨の各被災地にも訪れている。3月11日前後になると活動しているように見えるのは、その時期にしかほとんど報じられなくなっただけなのだ。それに、被災地以外のファンが多数集まらないよう事前告知を控えているという事情がある。

 事実とは異なるバッシングにショックを受けるメンバーもいるようだが、秋元康総合プロデューサーの「偽善者と思われても、なにもやらないよりはいい」という言葉に背中を押され、笑顔と歌声を届け続けている。

 「復興支援に終わりはないと思う。これからも活動を続けていき、被災地で会った子供たちが大人になっていくなかで、『あのとき、AKB48に会ったんだよ』と自慢できるようなアイドルグループでいたい」

 岩手でのライブに参加した峯岸みなみも、支援活動の継続を約束した。

 もちろん、AKB以外にも多くのアイドルたちが、この5年間に多くの支援活動を行ってきた。ももいろクローバーZも、東日本大震災の被災地のひとつである宮城県女川町との交流を続けている。これは、現地の臨時災害放送局「女川さいがいFM」で同世代の高校生たちがパーソナリティーをしていることを知ったメンバーが、自ら「行きたい」と提案したのがきっかけだ。このような経緯もあり、ももクロは女川町で「被災地」や「支援」といった言葉を使わない。「お友だち」として、「また会いにきた」というスタンスだ。

 ももクロの場合も、サプライズで現地の小学校やFM局を訪れるなど、被災地外からファンが駆け付けないよう配慮をしている。その一方で、大型イベントの「女川町復幸祭」などでは現地以外からのファンも多く集めた。混乱を招かないよう、現地での支援活動の事前告知を控える配慮は大切だが、復興のためには「外」へのアピールも重要になってくる。その点、アイドルファンには、アイドルが訪れた地を「聖地巡礼」と呼んで、巡る楽しみが根付いている。ももクロやAKBのファンにも、メンバーが支援活動や交流で訪れた場所に“巡礼”する者が少なくない。

 そうしたファン全員に「復興支援」の意識があるわけではないだろう。しかし、なにかしらの理由で被災地を訪れ、現状に触れながら、飲食店で、宿泊施設で、交通機関で「お金を落としていく」という行為は、間違いなく復興の支援となるはずだ。

 老舗・ハロー!プロジェクトでは、実際に被災した少女が、現在、メンバーとして活動している。アンジュルムの佐々木莉佳子だ。震災発生当時、佐々木は10歳。宮城県気仙沼市の自宅は津波で流されてしまった。震災後、食事もろくに取らず夜も眠れなくなってしまった娘を見て、父親が「昔の笑顔に戻って欲しい」と、復興支援のために結成された地元のアイドルグループ「SCK GIRLS(結成時、SCK45)」に応募。SCKではセンターポジョンを担い、「AKB48の前田敦子と大島優子を足して2で割ったような美少女」として、複数のテレビ番組で紹介されたことも。

 その後、モーニング娘。のオーディション、ハロプロ研修生としての活動を経て、2014年10月にアンジュルム(当時、スマイレージ)へ加入。佐々木の加入により、彼女の出身地である宮城県でアンジュルムが公演やイベントをする機会は増えた。ただ、報じられている限りでは、支援活動までは展開していない。「せっかく」という言い方が正しいのか分からないが、震災を我がこととして体験し、被災地住民の共感も得やすいメンバーがいるのだから、それを復興支援に繋げてくれることに期待したい。いささか下衆な見方にはなるが、その活動はアンジュルムやハロプロのためにもなるはずだ。

 震災直後、多くの著名人たちが積極的に支援活動を行った。それを一過性のものとして終わらせず、本当の復興が成るまで続けていく意味は非常に大きい。社会のなかでそのような役割が果たせてこそ、「アイドル」が“文化”として日本に根付いたと言えるだろう。

【リアルライブ・コラム連載「アイドル超理論」第19回】

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