中国の習近平国家主席が先ごろ、ロシアを訪問。今年4月末に中国から贈られていたパンダを、プーチン大統領と2人で視察した。パンダは15年間貸し出され、両国の友好に貢献することになる。
強面で鳴るプーチン大統領も「ロシアに対する特別な尊敬と信頼の意思を示すものだ。パンダの話をすると、いつも笑顔になってしまう。私たちはこの贈り物を、大いなる敬意と感謝を持って受け取る」と述べた。
それもそのはず、去る6月8日からサンクトペテルブルグで開催されていたロシア主催の「国際経済フォーラム」のメイン・ゲストは習主席で、プーチン大統領と並んで「貿易は自由であらねばならない。保護主義はよくない」と述べ、自由貿易圏を驚かせた。
他方、プーチン大統領はアメリカを名指しで批判し、「保護貿易主義に反対してきた米国が、制裁だの排斥だのと語るのは時代錯誤だ」とファーウェイの5Gプロジェクトの排除を決めたトランプ政策を批判した。
「この席で、驚くべきことにロシア最大のプロバイダーMTS(モバイル・テル、システム)が、ファーウェイ社の代表と固い握手を交わし、5Gを採用する正式契約に署名したのです。MTSは、ロシアばかりかウクライナやベラルーシ、アルメニアで同じシステムを使用しており、ロシア圏最大の通信企業です。『モスクワ・タイムズ』(6月6日付)によれば、他にファーウェイ製5Gとの契約を準備中の欧州国は、オーストリア、ベルギー、ルクセンブルグ、オランダ、ドイツ、フランス、アイルランド、ハンガリー、ギリシア、リトアニア、ポルトガルだと報じました」(国際ジャーナリスト)
ロシアは中国との仲の良さをアピールし、米国を強くけん制したわけだが、こうした反面、驚くべき事実が判明した。
「18年統計で、米国の対ロシア投資は70件(33%)を占め、2位のドイツの24件、中国の19件をはるかに上回っていたのです」(同)
国際関係は奇怪だ。