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トリックか、本物の霊媒師だったのか!? 霊を呼び出し予言した女性「ヘレン・ダンカン」

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画像はイメージです。

 19世紀末から20世紀初頭、欧米を中心にオカルトブームが起きた。霊媒師や霊能力者、超能力者らを呼んで交霊会を行い、亡くなった知人の霊や古い霊を呼び出すなど超自然的なものや霊魂の存在を確かめようとしたのだ。その背景には精神的な充足を求めようとする人々の心理もあったと考えられている。

 この時期には多くの有名な霊媒師が生まれた。ヘレン・ダンカンもその一人だ。

 彼女は普通の主婦であったが、ある時から霊媒に目覚めたとされている。

 彼女の夫が第一次世界大戦で負傷し、後遺症が残ってしまってから、家計は彼女が支えるようになった。昼は工場で、夜は霊媒の力をもって交霊会に出たりしたそうだが、交霊会での収入は僅かなものであり、彼女もこの収入を貧しい人々に寄付するのがほとんどだったという。

 彼女の能力は霊を呼び出し、自分の体に憑依させたり霊体を物質化させるものが多かった。時には魂の導き役である「ペギー」など、何人かの精霊が現れることもあったという。

 彼女は霊から得た情報で予言を行う事も多く、ある軍艦の沈没を軍が公式発表する前に告げた事もあった。これらの事実から、多くの人を騙し煽動したとして、1735年に制定されたイギリスの魔術禁止法によって逮捕されてしまった。

 その後、彼女が出してみせたエクトプラズムが卵白とトイレットペーパーと混ぜ合わせたチーズクロスだという事実が判明したり、精霊がただの古いシーツを用いたはりぼてであった事など、幾つかのトリックが判明している。

 一方で、彼女の支持者達からはトリックでは説明の付かない現象が交霊会中に何度も起きていたとする証言もあり、どこまでが事実だったのかは現在では解らない状況となっている。

文:和田大輔 取材:山口敏太郎事務所

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