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麻生首相 “ヒット・エンド・ラン”作戦を実行か

 西松建設の巨額献金事件で混乱する永田町で、麻生改造内閣の奇手が盛んにウワサされている。事件前、自民党内の「麻生降ろし」封じでアップアップだった麻生太郎首相(68)は、すっかり血色もよくなって完全復活。民主党の“敵失”に乗じて内閣を改造し、即解散・総選挙に突入する“ヒット・エンド・ラン”のシナリオを検討し始めているという。

 民主党・小沢一郎代表(66)は捜査の進展を見守りつつ、その座に固執することが政権奪取の邪魔になると判断すれば辞任するという。麻生首相は手をたたいて喜んでいるらしい。
 「ようやくツキが回ってきたとばかり、麻生首相は実にイキイキとしている。閣僚に重大疑惑がかけられていることなど忘却の彼方。そのせいもあってか、小沢氏が代表を辞任する前に内閣を大幅改造し、支持率を底上げして即解散に打って出るという情報が取りざたされている。改造に走ると同時に解散する“ヒット・エンド・ラン”作戦なんだって。アホくさ」(全国紙政治部記者)
 しかし、浮かれたくなる気持ちは分からないでもない。昨秋、「景気対策優先」を口実に解散を先延ばししたというのに、肝心の経済閣僚は崩壊寸前。お友達の中川昭一前財務相(55)の“へべれけ辞任”によって、「ポスト麻生」の呼び声高い与謝野馨氏(70)に経済財政相・財務相・金融相を兼務させるハメになった。当然ながら支持率も急降下。「完全に与謝野内閣状態」(前出の記者)だったのだ。

 ところが、西松建設事件で小沢氏の公設第一秘書・大久保隆規容疑者(47)が逮捕されたことで形勢は一気に逆転した。二階俊博経済産業相(70)側にも捜査の手が伸び、漆間巌官房副長官(63)の「自民党議員に波及する可能性はない」発言が暴露されても政権は決定的なダメージを受けていない。
 永田町関係者は「確かに麻生降ろしの動きはピタリとやんだ」と指摘。次のように解説する。
 「すでに内閣支持率が下がりようのないところまで落ちていたのが幸いした。民主党政権誕生は避けられないと観念していたところで事件が弾けたため、自民党内はいまはヘタに動かないほうが得策と様子見している。しかし、小沢氏が辞任すれば麻生降ろし再燃は間違いない。麻生首相は内閣改造否定論者だが、二階氏と漆間氏の問題も出てきたから改造するにはいいチャンス」
 政権交代となれば“入閣候補”にとって大臣の椅子は遠のく。これまでの麻生氏といえばやることなすこと、すべて裏目に出ていたため、改造しようにも許されない状況にあった。改造内閣への入閣をちらつかせ、求心力を高めるのは有効な手立てではある。
 一方、民主党は小沢氏の条件付き続投宣言をしっかりと受け止め、ポスト小沢を模索する動きすら見せない。
 小沢氏は11日、元秘書の石川知裕衆院議員が東京地検に参考人聴取されたことに関し、「国会会期中で任期満了まで半年という時期だ。選挙妨害以外の何ものでもなく、権力の乱用だ」と厳しく批判。潔白を訴える小沢氏を支える挙党態勢が続いている。
 もちろん、捜査の行方によって与野党とも状況は大きく変わるだろう。麻生首相が二階氏の任命責任を追及される可能性も十分ある。
 前出の永田町関係者は「うまく改造に踏み切れば10%ぐらいは支持率が上がるはず。でも、麻生首相はそこで間髪入れずに解散できないんじゃないか」と見る。さて、どうなるか。

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