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太陽光発電が増えれば増えるほど負担が増えるアホな制度

 手元に「電気ご使用量のお知らせ(検針票)」があったら見てほしい。そこに記載されている「請求予定金額」欄の最下位に、東京電力なら「再エネ発電割賦金」、関西電力では「再エネ促進割賦金」、中部電力では「再エネ発電促進割賦金」と表記されている項目がある。正式名称は「再生可能エネルギー発電促進賦課金」という。

 この「賦課金」が徴収されるゆえんは、経済産業省が決めた再生可能エネルギーの固定価格買取制度(FIT)と裏一体の制度であるからだ。現在再生可能エネルギーで発電した電気を電力会社が一定価格で買い取ることを国が約束する制度があり、太陽光発電で発電された電力を買い取るために使用されるのが再エネ賦課金だ。ざっくり言えば、FITに充当するための資金源である。

「賦課金」の徴収金額は、現在「使用電気量(kWh)×2.90円/kWh」となっている。例えば子供が独立した2人世帯の月間電気使用量を335kWhとすると、「335kWh×2.90円=971円」と、ざっと月1000円が割賦金として徴収される。

 FITは再生エネ拡大のため平成24年度に導入されているが、賦課金の同年平均は、わずか88円だった。それが平成27年に600円を超え、現在は無視できないレベルにある。

 電気を使用している以上、電気代を支払うのは当然だが、自宅に太陽光パネルを設置し、売電している人も存在している。電力会社が売電者から買い取るために使用者からお金を徴収しているのに、その電気を使用した分をさらに使用料として徴収されるのはおかしいだろう。

 実は太陽光発電認定施設の4割強の2352万キロワット(17年度末時点)が稼働していない。そこで経産省では、FIT導入当初に認定を受けたうち、発電を始めていない施設の買い取り価格を大幅に減額する方針を決めた。

 一方「割賦金」は、NHKの受信料と同じで、テレビがあるのと同様、電力会社から電気を買う限り逃れようのない制度だ。「電気会社からのお願い」という体裁を取りつつも断ることができない制度のため、強制で徴収される税金のような存在だ。

 16年度の賦課金総額は何と1兆8000億円だった。パリ協定が発効され、国としては2030年ごろまでに、再生可能エネルギー比率を22〜24%に引き上げなくてはならない。つまり太陽光発電が広がれば広がるほど、世帯負担額も増えていく。

 納得できない話だ。

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