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参院選を左右する巨大宗教票 フリージャーナリスト・山田直樹①

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提供:週刊実話

 参議院選挙(7月21日投開票)突入モードとなっても、なぜか自民党の「勝敗ライン」が決まらない。与党で「非改選組」を含めての過半数獲得か、改選組議席の過半数獲得なのか、はっきりしないのだ。

 「いずれにしても、公明党は最低で13議席を獲得するとの前提があります。すると、後者なら自民は50議席獲れば勝利。前者ならぐっとハードルが下がって、40議席確保で達成する。ただし、ここで忘れてならないのが、今回から導入された比例区の『特定枠』です。制度上は比例代表の候補者全員を特定枠にしないならば、人数制限はありません」(与党議員秘書)

 そもそも、1票の格差是正のため導入された参院選選挙区の「合区」(島根県や高知県などの4区定数減)で弾かれた、選出議員のための救済策である。枠内の候補者は、比例票の多寡に関係なく優先当選となる。

 この辻褄合わせのために、議員定数が4つ増えた事実は、あまり知られていない。しかも、この枠の候補は自前の選挙事務所を設置できず、個人演説会や自動車使用、ポスター掲示も不可なのだ。

 仮に選挙活動を認めると、全国から票をかき集めてくる他の比例区候補との「得票整合性」がなくなる――という言い訳じみた自民党の理由づけが背景にある。この民意無視の仕組みは、宗教団体の選挙活動にどんな異変を起こすのか?
 「『創価学会』がこの仕組みを使うかどうか、かなり懐疑的ですが、全国をブロック割して票を出す方法の是非にも繋がります。少数政党で党首のみに知名度があったりすれば、使える枠でもある」(政治部記者)

 一例を挙げよう。山本太郎率いる『れいわ新選組』は、多種多様な候補を立て、クラウドファンディング(不特定多数の人から資金調達)で3億円もの資金をかき集めた。今回の選挙戦で「台風の目」と見られる『れいわ新選組』は、さっそく特定枠候補2人を立て、注目の現役創価学会員は東京選挙区から出馬する。

 しかも、その主張は「池田(大作)先生は正しい平和主義。今の公明党・創価学会はその教えに反している」というものだ。

 「安保法制で創価学会員が公然と反対行動を取った経緯からすれば、反学会執行部の会員票を集める可能性はある。学会といえば、共産党との対立ばかり取り上げられてきたけれど、今回は別の変化球が飛んできた」(信濃町の学会職員)

 この新選組候補が東京選挙区で当選するのはほとんど不可能だが、「別の危惧が出てくる」と言うのは、東京の創価学会地域幹部だ。

 「除名されたり降格された反学会執行部会員の拠り所が出来てしまうのではないか。かつて、新進党が解党した時、小沢一郎さんのもとへ行ってしまった公明系議員は複数いましたが、彼らはまったく逆で『池田先生の批判だけはしない』節度がありました。しかし、今回は選挙活動中に信濃町周辺で、重点的な“攻撃”を仕掛けたり、公明党の街宣へ“嫌がらせ”演説をぶつけてくる可能性を想定しないといけません」(同)

 れいわ新選組の「不確定要素」「神出鬼没」さに不安がる創価学会現役幹部は少なくない。
(明日に続く)

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