「安倍首相が3選となれば、首相在任期間が桂太郎元首相の2886日を'19年11月に超え歴代最長となる。さらに東京五輪時の首相の座のためにも、何が何でも勝つことだ」(周辺関係者)
総裁選出馬には、野田氏、石破茂元幹事長、岸田文雄政調会長の3者が強い意欲を持つ。ただし、現時点では安倍首相の細田派が96人で、“安倍支持”の麻生太郎財務相派閥60人、ここに二階俊博幹事長派閥44人を加えると200人。20人で伸び悩む石破派や44人の岸田派は、すでに勝負あったの感がある。
そうした中、不気味なのが野田氏だという。前回'15年の総裁選では、推薦人20人を集められず断念した経緯がある、無派閥の一匹狼にもかかわらずだ。
自民党関係者は、こう指摘する。
「無所属議員、各派閥には熱烈な野田ファンの議員も多い。例えば、額賀派の小渕優子元経産相などは姉と慕うほど。野田氏の最近の派手な動きに引き付けられる議員は多いのではないか」(自民党ベテラン議員)
野田氏は11月、地元の岐阜で来春にも女性を対象にした政治塾の立ち上げを発表。総裁選を戦う政策作りを始めるかのように、12月12日、総務省情報通信部局中心の若手官僚26人をメンバーとした「未来デザインチーム」なるものを発足させることも発表している。
「'01年、総裁選でダークホースだった小泉純一郎氏が田中真紀子氏と組んで、本命だった橋本龍太郎氏にあれよあれよと大差をつけ天下を取った例もある。チームの発足も、田中角栄氏が官僚を手なずけた手法と同じ。そんな動きから、安倍首相周辺はすでに前回同様、野田氏に近寄りそうな若手議員を中心に、1人1人切り崩しを始めている」(同)
果たして、野田聖子は“安倍一強”に立ち向かう、政界のジャンヌダルクになれるか?