声のお仕事である『声優』。顔の見えない裏方のお仕事でありながら、近年はアイドルとの垣根がなくなって来ており、バラエティー番組や、歌番組などに出演することも珍しくなく、注目度が増している職業である。そんな人気声優をフィーチャーするこの連載。第22回目としてお届けするのはかないみか。

　父は俳優・西田敏行の師匠としても知られる、劇団青年座でプロデューサーを務めた金井彰久、母は清水マリに代わって鉄腕アトム (アニメ第1作)で、アトムの代役も演じたこともある声優・田上和枝。なお西田敏行には幼少の時にオムツを変えてもらったこともあるという。こうして生まれた時からお芝居に溢れた環境で育ったかないも後に劇団に入団し、舞台女優を経て、1989年に『ビリ犬なんでも商会』(山川ミキ役)で声優デビューする。

　当時より演技力の高さを注目されており、デビュー翌年の『アイドル天使ようこそようこ』の主人公・田中ようこ役に抜擢される。同年には、『楽しいムーミン一家』のフローレン役、『きんぎょ注意報！』の主人公・わぴこ役、『それいけ！アンパンマン』メロンパンナ役など、知名度のある作品にも多く出演している。デビューより25年近くたった現在でも、「ロリ声」は衰えることなく、主に幼く元気な少女役を数多く演じてきているが、他にも『機動新世紀ガンダムX』のヒロイン・ティファや、『ギャラクシーエンジェル』のヴァニラのように寡黙なキャラクターを演じる。また、『ギャラクシーエンジェル』では、兼役であったノーマッド役や、『AVENGER』のネイ役など、その独特な声を生かし、作品にいいスパイスを出している。

　元夫は、声優・タレントの山寺宏一。『それいけ！アンパンマン』で長年共演しており、『はれときどきぶた』 では、(当時)夫婦であることを番組中のアイキャッチでからかわれることもあった。別れた現在でも良好な関係だという。また声優以外でも、2005年に結成された男性声優ユニット「Revolver」のプロデューサーを務めたりと多彩な才能を見せている。