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安田純平氏バッシングに見る大手メディアの「不都合な真実」−①−

 内戦中のシリアで武装勢力に拘束され、先ごろ帰国を果たしたフリージャーナリストの安田純平氏が11月2日、都内の日本記者クラブで記者会見を行った。

 安田氏は「解放に向けてご尽力いただいた皆さん、ご心配いただいた皆さんにお詫びしますとともに、深く感謝申し上げたい。本当にありがとうございました」と話し深く頭を下げた。

 安田氏が解放され帰国したことについて、ネットを中心にバッシングと「自己責任論」が続いている。テレビのニュースバラエティーでも取り上げることが多く、芸能人やスポーツ選手など有名人・著名人をも巻き込んでの“場外バトル”になっている。

 ジャーナリストとして戦地に行ったことに対するバッシングはさすがに聞かれないが、安田氏のこれまでの発言や姿勢を疑問視する声は多々ある。例えば、安田氏が「日本政府が動いて解放されたかのように思う人がおそらくいるんじゃないかと。望まない解放のされ方だった」と語ったことについて、フジテレビの安藤優子キャスターは「これは今、安田さんの言葉で仰るべきことなのかな」と苦言を呈した。高須クリニックの高須克弥氏は、ツイッターで「出てくるときは定番の作法を守ってほしい。まず『恥ずかしながら』と謝りなさい」と安田氏に謙虚さを求めた。

 ネット通販大手『ZOZOTOWN』の前澤友作社長が「身代金は(中略)重要なカードとして使えるのではないかと僕はいつも思う。いくら払ってでも人命第一である」とツイートしたこともネット上で論争になった。しかし、「テロリストとは交渉しない」というのが欧米のスタンダードであり、前澤社長の安田氏擁護はやや的外れだったかもしれない。

 全国紙社会部記者の1人は、自己責任を巡って論争が盛り上がれば盛り上がるほど、後ろめたい気持ちになると話す。

 「日本の新聞やテレビなど大手メディアは、戦地に社員記者を派遣しない。イラク戦争のときもそうだし、もう数十年前からそうだ。戦地に取材に行くのはフリーランスのジャーナリストばかり。大手メディアは彼らが命がけで得た情報を買って流すだけ。なぜか。万が一、社員が人質になったり殺されたりしたら、遺族への補償はもちろん、経営陣の責任問題に発展しかねないからだ」
 ②に続く

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