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組織票で広島勢が占拠! 問われる“夢の球宴”の意義

 NPBは6月27日、「マツダオールスターゲーム2014」(7月18日=西武ドーム、同19日=甲子園)のファン投票の最終発表を行い、セ・リーグでは広島勢が11枠中8人選出される異常事態となった。

 03年にファン投票で阪神から9人選ばれたことがあるが、今回の広島の8人は、それに次ぎ史上2位タイの多さ。

 選ばれた広島勢は先発投手=前田健太、中継投手=一岡竜司、抑え投手=キャム・ミコライオ、一塁手=キラ・カアイフエ、二塁手=菊池涼介、三塁手=堂林翔太、外野手=丸佳浩、ブラッド・エルドレッド。他の球団からは、捕手=阿部慎之助(巨人)、遊撃手=鳥谷敬(阪神)、外野手=ウラディミール・バレンティン(ヤクルト)のわずか3人。

 この後、選手間投票の結果は6月30日に発表され、監督推薦を含む全出場選手は7月3日に決まる。

 今季、広島は序盤戦セ・リーグ首位を独走。その勢いを駆って、広島ファンも熱く燃え、組織票に走ったとみてとれる。

 基本的に、ファン投票は球宴に出てほしい選手をファンが選ぶシステムであって、その対象選手は5月31日までに支配下登録された選手(育成選手は不可)で、選出規定はファン投票終了時(6月19日)に、公式戦で投手なら5試合以上登板または10投球回以上、野手なら10試合以上出場または20打席以上あればOK。

 しかし、スター選手が集結すべき球宴に、成績が伴わない選手が出場することには、多くのファンが疑問を感じることだろう。広島から選出された8人のうち、プロ野球ファンの誰もが認める文句なしの成績を収めているのは、7勝(成績は以下、すべて6月27日現在)を挙げている前田、打率.323(リーグ4位)で抜群の守備力を誇る菊池、リーグ打点王(67)のエルドレッドくらいのもの。

 リーグ最多得票(35万9554票)だった丸は、打率.281(リーグ16位)、8本塁打、29打点と平凡な成績。キラ(打率.276)、堂林(打率.255)に至っては、規定打席にすら遠く及ばず、目立った数字も残していない。

 ルール上、ファン投票に関しては成績が問われるものではないが、成績を残していない選手が球宴にふさわしいかどうかは言わずもがなだ。

 選手間投票、監督推薦は広島勢以外の選手を中心に選出されることになるが、ファン投票枠を広島勢が8人も占拠したことにより、本来、球宴に出場すべき成績を残している選手が出られないという弊害も起きてしまいそうだ。

 “夢の球宴”はファンのためのもの。特定球団のファンのためのものではない。今回、ファン投票で広島勢が大量選出されたことにより、セ・リーグの他の5球団のファンはドッチラケだ。現状、組織票を阻むルールはないが、組織票がまかり通っているようでは、“夢の球宴”の意義が問われることになる。
(落合一郎)

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