新規40社参入で東電・関電が戦々恐々とする自由化電力小売りバトルの行方

社会 週刊実話 2015年10月30日 14時03分

 来年4月に迫った電力小売りの全面自由化を前に、経済産業省が参入企業40社を認定した。東京ガスや大阪ガス、NTTグループが出資する『エネット』、中部電力と三菱商事が設立した『ダイヤモンドパワー』、さらには東京都の清掃組合が母体の『東京エコサービス』などで、登録申請が相次いでいることから最終的には100社を上回る参入ラッシュとなりそうだ。

 日本の電力は東電、関電など10の電力会社が8兆円市場を独占してきた。自由化に伴い地域独占の壁が撤廃される。そこで割安な料金を武器に、新規参入が相次ぐ図式である。
 これに危機感を募らせるのが既存の“縄張り”を侵攻される電力各社だ。とりわけ最大の電力消費地である首都圏は激戦区となる。東電がソフトバンクなど異業種とタッグを組み、電気料金と携帯料金の「セット割」を打ち出すなど迎撃に余念がないのはそのためだ。

 しかし、雨後のたけのこのように参入する新興勢力には、悩ましい問題がある。格安料金ならば消費者が飛びつくだろうが、安定供給が図れなければ顧客は失望し、逃げ足は早い。関係者は「今回の“第1弾”の中にも安定供給の面で疑問符が付く企業が複数含まれている」と指摘、だからこそ「電力会社首脳はタカをくくっているフシがある」と打ち明ける。鳴り物入りでスタートした再生可能エネルギーは、太陽光発電に偏重したばかりか悪徳業者が跋扈した。政府が掲げる「2030年度の電源構成のうち、再生可能エネルギー22〜24%」の達成も怪しくなってきたことから、電力各社の目には「再生可能エネルギーと同様、新規参入組の大半は遠からず淘汰される」と映っているのだ。

 とはいえ、地域独占にあぐらをかいてきた電力各社は今後、まだ経験したことがない迎撃戦を強いられる。
 「台風の目はやはり東京ガス。規模の小さい参入組とは体力からして違う。どこまでシェアを奪うか、東電も本音では戦々恐々としています」(担当記者)

 とにもかくにも“全面自由化”が有名無実化しないことを祈るばかりだ。

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