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「生理がこないの…」その言葉で結婚を迫られた男性の悲哀

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 30代の男性Fさんが専門学校時代、同級生の女性と仲良くなったのは、上京仲間だったことが理由だった。

 「その学校には上京してきた人間が少なかったですし、自分は交際経験がなかったので、女性と親しくなれたこと自体がうれしかったんです。それに、自分は父子家庭育ち。元カノのほうも、複雑な家庭環境で育ったということで意気投合し、付き合うことになりました」

 2人の交際は、最初のうちは何の問題もなかったという。しかしある日、Fさんはとんでもないミスを犯してしまう。

 「数回目のセックスをしたときに、元カノに『今日は安全日だから、避妊しなくていいよ』と言われて。言われるままに、避妊しないでセックスしてしまったんです。そうしたら1カ月後ぐらいに、元カノに『生理がこないの…妊娠したんだと思う』と言われました。頭が真っ白になりました。今思えば、妊娠検査薬を目の前で使ってもらえばよかったのですが、当時はそんな知識もなかったので」

 このFさんの知識の乏しさが、さらに事態をややこしくさせる。

 「『近いうちに、両親を含めた親戚一同がこっちにくるから、結婚を前提としたお付き合いをしている男性として紹介させてほしい。2人の赤ちゃんもお腹の中にいるんだし』と元カノに言われて。元カノは両親とは不仲だと聞いていたので、びっくりしました。でも、妊娠させたことは事実だし、男として責任を取らないといけない、と思いました。だから、元カノの両親や親族にも会うつもりだったんです」

 すると、次は元カノが小さな「ミス」を犯した。

 「酔っ払っている元カノが、自分の家に突然きて。知識のない自分でも、妊娠中に酒を飲むことがまずいことぐらいは知っていたので、強めの口調で怒ったんです。そうしたら、元カノは『エッチできないから怒ってるんでしょ〜、生理中でごめんね〜』と…そう、元カノが妊娠したというのは、大嘘だったんです。さすがに許せず、こちらから別れを告げて、学校を卒業するまで、元カノのことは無視し続けました」

 妊娠を口実に男性に結婚を迫り、その妊娠が嘘だったとなれば、当然女性側に非がある。しかしながら、簡単に女性にだまされてしまう男性に非が全くないとは言いがたいことも事実である。

文/浅利 水奈

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