神戸山口組・山健組組員2名射殺 六代目山口組・弘道会「怒りの報復」

社会 週刊実話 2019年10月18日 15時03分

神戸山口組・山健組組員2名射殺 六代目山口組・弘道会「怒りの報復」提供:週刊実話

「花隈で音鳴っとる! 組員が撃たれたみたいや!」

 記者の携帯に緊迫した声で一報が入り、耳を疑った。花隈とは、神戸山口組(井上邦雄組長)の中核組織である五代目山健組(中田浩司組長=兵庫神戸)が本部を置く町名で、山健組を指す通称なのだが、そこでは、つい2時間ほど前まで定例会が開かれていたのだ。

 本誌カメラマンも取材に行っており、引き揚げた直後に事件が発生したことになる。白昼の犯行である上、六代目山口組(司忍組長)・三代目弘道会(竹内照明会長=愛知)の“神戸拠点”で組員が銃撃された事件(8月21日)以降、山健組本部では兵庫県警による24時間の張り付け警戒も行われていた。そんな中で銃声が鳴ったとは、到底、信じ難かったのである。

 しかし、各方面から事件を知らせる内容が立て続けに入り、現地に向かう最中には「山健の組員1人死亡」「もう1人も死亡」と被害状況が明確になっていった。それと同時に、「犯人確保。弘道会・稲葉地一家の人間」という情報が流れ、警察官に取り押さえられている写真も出回ったのである。

 六代目山口組・髙山清司若頭の出所を約1週間後に控えた中、山健組本部付近で起きた射殺事件は業界内外を混乱に陥れた。発生状況などからは、犯人の計画性と、“神戸拠点”での銃撃に対する弘道会の強い怒りが浮き彫りとなった。

 10月10日の午後2時半ごろ、山健組本部に隣接する駐車場の向かいに、大阪府内ナンバーを付けたシルバーの乗用車が止まっていた。不審に思った山健組側が、張り付け警戒に当たっていた兵庫県警生田署の警察官に職務質問を要請。乗車する男に対して警察官が職務質問を行うと、男はマスコミを名乗り、車内への捜索にも応じたという。

 そこへ山健組直参と、本部に来ていた三代目宮鉄組・佐藤隆保組員(43)、部屋住みの福富組・中川健司組員(39)の3人も駆け付け、男に詰め寄った。両者が対峙する格好となったそのとき、男は隠し持っていた拳銃を取り出し、至近距離から発砲。佐藤組員は胸に、中川組員は首付近に被弾して倒れ込んだ。

 佐藤組員は防弾チョッキを着用しておらず、胸に受けた銃弾が体内にとどまり致命傷となった。中川組員は防弾チョッキを着ていたが、無防備な喉を撃たれ、大量の血を吐き続けて瀕死の状態だった。

 事件を起こした男はその場で取り押さえられ、無傷で済んだ直参が男の鞄を遠ざけた。その中に、もう1丁の拳銃が入っていたのだ。

 本部から飛び出してきた組員らは被害者を介抱する一方で、男に対して“制圧行為”に出たという。拡散された写真の中で、犯人の顔が腫れ上がっていたのは、そのためだったと思われる。

「山健にしてみれば仲間の組員がやられたんやし、当然のことやろ。警察がおったから、犯人は死なんで済んだようなもんや」(関西の組織関係者)

★カメラマンに扮した犯人

 その後、凶行に及んだ男は弘道会の松山猛若頭補佐率いる十代目稲葉地一家所属の丸山俊夫幹部(68)と判明。殺人未遂容疑で兵庫県警に現行犯逮捕された。

 ところが、事件の予兆はその前からあったという。
「前日に犯人が使っていたのと同じような車が、本部付近で目撃されていたようです」(全国紙社会部記者)

 さらに発生当日、本誌カメラマンらが立つ山健組定例会の取材現場でも、犯人の姿が目撃されていたのだ。
「2日前(10月8日)、神戸山口組本部で開かれた定例会に中田若頭代行が先月に続いて現れず、当日は自身が率いる山健組の定例会に出席するのか注目されとった。定例会は通常より早く始まって午後1時までには終了したんやが、結局、中田組長は現れんかった。

 定例会が始まる前に與則和若頭が本部入りして間もなく、午前11時ごろのことやったかな。本部から十数メートル離れた山健組組員の待機所前に、眼鏡を掛けた初老のカメラマンが立ったんや。首にキヤノン製の高級一眼レフを下げて、モスグリーンのカメラマンベストにジーパン、黒いキャップ帽を被って肩から黒のショルダーバッグを掛けとった。いかにもカメラマンいう格好やったな」(本誌カメラマン)

 定例会などの行事の際、本部前に集まった報道陣の所属先と人数を、兵庫県警や山健組側が確認するのが通例で、その人物は「フリーです」と答えたり、実話系週刊誌を発行している出版社を名乗ったという。

「中田組長の姿が8月末以来、確認されとらんかったし、その週刊誌のヤクザ担当記者は別の取材があったから、今回、代わりにフリーランスのカメラマンが派遣されたんやなと思ったわけや。本部前には近づかないで、待機所の辺りをウロウロしとったけど、直接、名前を聞いたら躊躇なく『アリカワ』と答えたんや。細巻のタバコを吸いながら、『昨日(10月9日)来たけど(定例会は)やってなかったんで今日も来ました』言うててな、ヤクザ取材に慣れとらんのかな、いう印象やった。
 午後2時には、ほぼ直参が本部をあとにして張り付けの警察官以外、それまで10人以上ほどおった兵庫などの捜査員たちも一斉に引き揚げたんで、ワシらも取材を終えたんや。帰りの道中、その週刊誌の担当に連絡したら、心当たりがない言うから首を傾げたけど、まさかなあ…」(同)

 その「アリカワ」と名乗った人物こそが、丸山幹部だったのである。
「取材現場ではヤクザいう雰囲気もせんかったし、指がないことにも気が付かんかった。事件後に出回った写真を見ても、同一人物とは思えんかったくらいや。それに、犯人が取材現場に現れてから3時間、目の前を何人もの山健組直参が通っとるんやから、いつでも行動に移せたはずや。捜査員の目を気にしとって犯行に及ばんかったにしても、なんでわざわざ記者を装って現場に立つ必要があったんやろか」(同)

★髙山若頭出所前にケジメを

 ヤクザ史上最大の抗争「山一抗争」では、有名な“女装ヒットマン”をはじめ宅配便の配達人や、高校生に扮して詰め襟の学生服に身を包んだヒットマンが存在し、マスコミを装った“偵察部隊”もいたという。
「当時、各取材現場には報道陣に混じって、カメラを持った不審な人間がいたことが何回かあった。あとで分かったことだが、山口組や一和会が送り込んだ偽カメラマンで、組幹部など標的の顔写真を撮っていたらしい」(当時を知る記者)

 だが、丸山幹部は時折カメラを構える程度で、“対象者”を撮影しているような様子はなかったという。

 丸山幹部の行動について前出の組織関係者は、こう推測する。
「犯人は、中田組長が定例会に現れるのを待っとったんと違うか。せやから、記者になりすまして怪しまれずに近づく必要があった。中田組長が来んかったために周辺で様子を見とったら、警察官や山健組側に怪しまれて、拳銃持っとるのが捲れそうになった。そうなる前に何かしらの“成果”を挙げようとして、駆け付けた組員に発砲したのかもしれん。ただ、結果的に1発ずつ撃ち込んで2人を死亡させとる。慌てて撃ったにしては、狙いが定まりすぎやとも思ったけどな…」

 丸山幹部は、もともと反山口組組織だった導友会に所属。平成3年に、五代目山口組(渡辺芳則組長)と導友会を含む複数の反山口組組織との間で「名古屋抗争」が勃発し、最終的には初代弘道会によって“名古屋統一”が果たされ、導友会は山口組傘下となった。丸山幹部は所属組織の解散を受けて、別の弘道会傘下組織に移り、その後、稲葉地一家に加入したという。

 直近の丸山幹部について、消息筋はこう話す。
「心臓のバイパス手術を受けた経歴があり、脳梗塞も患ったことがあるそうや。糖尿病を抱えとって、週数回、人工透析を受けとったらしいで。68歳いう年齢を考えたら、そう長くは生きられん身体やったのかもしれん。ヒットマンの中には、余命わずかやから犯行に走ったいうケースも過去にあったからな」

 業界内外では、弘道会系組員によって山健組・與若頭が刺された事件(4月18日)への報復として、弘道会の“神戸拠点”で銃撃が起き、その報復として今回の山健組組員射殺事件が発生したとみられている。報復の連鎖が起き、その被害状況も確実に拡大しているのだ。
「弘道会としては、髙山若頭の出所前にケジメをつけたかったのではないか。分裂後に、組織から出たヒットマンは、すべての罪を背負って服役に行った。弘道会の真の怖さは、そこにある」(業界ジャーナリスト)

 事件翌日、山健組には九代目酒梅組(大阪)の吉村光男総裁、神戸山口組・寺岡修若頭(俠友会会長)、剣政和若頭補佐(二代目黒誠会会長=大阪北)、山本彰彦若頭補佐(二代目木村會会長=愛媛)、福原辰広幹部(邦楽會会長=兵庫姫路)らが駆け付け、五代目浅野組(岡山)の中岡豊総裁、重政宜弘組長らの訪問が確認された。渦中の井上組長も、最高幹部らに囲まれて姿を現した。唇を固く結び、一点を見据えながら関連施設へと入っていく様子からは、組員を失った悲しみだけでなく、静かな怒りも感じられたのだ。

 しかし、追い打ちを掛けるように、その約3時間後には兵庫県警の捜査員が、被害を受けた側である山健組に約70人態勢で押し寄せ、本部や関連施設などへの家宅捜索に踏み切った。さらには、日付が変わる直前の暗闇の中、再び“奇襲”を掛けたのである。

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